- 著者
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水本 篤
- 出版者
- 甲南女子大学
- 雑誌
- 甲南女子大学研究紀要. 文学・文化編 (ISSN:1347121X)
- 巻号頁・発行日
- vol.42, pp.93-107, 2006-03-18
本研究では人文系女子大学生の語彙学習方略を調査し,それらの方略が学習成果とどのように関連しているかを明らかにすることを目的とした。まず,139人の実験参加者に質問紙調査を行い,どのような語彙学習方略を使用しているのか,また,役に立つと思っている方略と,実際に使用している方略との間に差はあるのかを調べた。次に使用している語彙学習方略と,習熟度指標としてのTOEICおよび語彙サイズとの相関を調べた結果,辞書使用方略,語の構造利用,メタ認知方略群が弱いながら有意な相関があることが確認された。使用している語彙学習方略と学習成果によるクラスター分析では,4つのグループが現れた。この研究から,さまざまな習熟度,語彙学習方略を行う学習者に効果的な語彙指導を行う際に有用な結果が得られたといえる。