著者
角川 陽一郎 武田 和憲 砂村 真琴 川口 信哉 小針 雅男 松野 正紀
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化機病學會雜誌. 乙 (ISSN:13497693)
巻号頁・発行日
vol.87, no.6, pp.1444-1450, 1990
被引用文献数
15

雑種成犬を用い, 十二指腸盲管法にて16時間後に出血性膵炎を認めたものを対象に蛋白分解酵素阻害剤続動注療法の効果を検討した. 盲管を解放後, 無治療対照群, Nafamostat mesilate(FUT-175)の持続静注群 (5μg/kg/分), 同量の腹腔動脈からの持続動注群の3群に分けた. 24時間後の膵組織内FUT濃度は静注群•動注群それぞれ905ng/g, 4453ng/gとなつた. 膵組織内 trypsin 活性は対照•静注•動注群それぞれ2.1, 1.4, 0.7nmol/min/mg蛋白, 膵の実質に対する壊死面積比はそれぞれ49.5, 25.6, 12.4%と動注群で著明に抑制された. また, 血清Ca値や, amylase, lipase 値も改善し, 重性急性膵炎に対する本法の有用性が示された.
著者
南 優子 鈴木 貴 角川 陽一郎 大内 憲明 立野 紘雄 多田 寛
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

閉経後乳癌62名の血中・乳腺組織中ホルモン濃度と乳がんリスク要因との関連を解析した。ホルモンレセプター陽性の場合、エストラジオール(E2)の組織中濃度は血中濃度の43.7倍、陰性では14.5倍。また、ホルモンレセプター陽性では「授乳歴あり」で組織中E2濃度が高くなる傾向が認められた(p=0.01)。これらよりホルモンレセプター陽性乳癌組織内ではE2が生合成または血中から集積され、その機序に授乳歴が関与している可能性が示唆された。