著者
山口 宏也 四倉 淑枝 佐多 弘策 渡辺 陽子 廣瀬 肇 角田 晃一 大石 公直
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.232-238, 1988-07-25 (Released:2010-06-22)
参考文献数
19
被引用文献数
2

目的; 喉頭ポリープの術後成績を左右する因子のうち「声の衛生」に注目し術後成績との相関を検討した.対象: 過去3年間に (全身麻酔下で) 手術を行い, 術後3カ月以上経過を観察し得た50症例 (男女比, 24: 26) である.方法; 職業, 病悩期間, 喫煙歴のほか声の乱用, 誤用の有無について詳しく問診した.改善度は術前, 術後の聴覚印象, 局所所見, 各種音響分析結果や患者の満足度などで総合的に判定した.結論; 病悩期間1年未満と1年以上とでは術後成績上有意義差は認められなかった.問診から誘因あるいは原因として48例 (96%) に何らかの声の乱用, 誤用が認められた.47例が1~24カ月で治癒.術後, 声の衛生を守った方が3カ月以内に治癒し易いこと, および守らないと治癒まで4カ月以上かかることが統計上有意であった.喉頭ポリープの手術的治療に声の衛生の重要性を強調したい.
著者
角田 晃一 関本 荘太郎 伊藤 憲治
出版者
独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

簡易赤外線トポグラムを用いて、日本語で育った人間と、非日本語環境で育った人間における虫の声の処理機能違い「角田理論」の証明がなされた。 (Acta Otolaryngol. 2016)さらに、現在Science誌やNature誌で盛んに指摘されている、中枢の神経活動測定における再現性の問題に対処すべく被検者の姿勢による脳活動計測への影響の検証を行い、1)姿勢変化の影響が脳生理学研究において再現性に大きな影響をもたらすこと、2)研究にあたっては姿勢の安定が基本であり標準化すべきである。以上の2点を明らかにし、 Neuropsychiatry 2017 7 (7), 739-744 に発表した。