著者
齋藤 孝義 天野 百香 慶林坊 茜 角田 美穂 右田 正澄
出版者
特定非営利活動法人 国際エクササイズサイエンス学会
雑誌
国際エクササイズサイエンス学会誌 (ISSN:24337722)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.6-10, 2020 (Released:2023-01-14)

[目的] 考案した等尺膝伸展筋力測定方法における検者間信頼性を検討すること. [対象と方法] 対象者は理学療法士養成校に在籍している健常成人女性の4年生15名とした.[方法]男女間の検者間信頼性の測定は1名の対象者に対してそれぞれ2回測定を行った.その後,考案した測定方法の測定値(男性検者,女性検者)と固定ベルト不使用で徒手固定のみの測定方法との測定値の3群比較を行った.[結果] 検者間信頼性ICC(2.1)は0.856であり,考案した測定方法(男性検者,女性検者)の測定値における有意差は認められず,固定ベルト不使用で徒手固定のみの測定方法と有意差が認められた.[結語] 考案した等尺膝伸展筋力測定方法の検者間信頼性は良好であり.力の弱い女性に対して有用な測定方法である可能性がある.
著者
高橋 徹 角田 美穂 篠山 大明 天野 直二
出版者
The Shinshu Medical Society
雑誌
信州医学雑誌 (ISSN:00373826)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.125-132, 2008 (Released:2011-01-28)
参考文献数
13

This study is a sequel to our previous report in 2006 which examined the discrepancies between the true diagnosis and the diagnosis recorded in externally submitted documents. The Japanese term for schizophrenia was changed from seishin-bunretsu-byo (mind-split-disease) to togo-shitcho-sho (integration disorder) in August 2002. We examined documents externally submitted in 2003 or later, and compared them with the result of our previous study which reported the recorded diagnosis in documents submitted in 2000 or earlier. While schizophrenia (seishin-bunretsu-byo) was recorded as the diagnosis in 70.5% of the public documents in or before 2000, the number recorded as schizophrenia (togo-shitcho-sho) has risen to 94.7% since 2003. Similarly, the figure rose from 5.9% to 40% in private documents. It is presumed that the rise in the frequency of recording schizophrenia as the diagnosis is affected by the fact that the rate of informing patients of the diagnosis of schizophrenia has increased due to the change in the Japanese name of the disease. The wider use of international classification systems, more patient participation in treatment, and medical welfare policy are also likely to have had an effect.
著者
二木 文明 角田 美穂
出版者
東北文化学園大学医療福祉学部保健福祉学科
雑誌
保健福祉学研究 = Journal of health and social services (ISSN:13484567)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.33-42, 2018-03-31

谷口ジローには"散歩もの"とでも呼びうる漫画がある。たとえば、『歩く人』や『散歩もの』、『ふらり』、『ヴェネツィア』などがそれであり、さらには自然を扱った漫画もこれに含まれるだろう。それら散歩もの漫画の主人公たちは、Balint,M(マイクル・バリント)のいう「フィロバティズム」(散歩などによる、人間不在の広がりへの一体化と充足の志向)の心性を有しているのではないかと考えられるが、作者の谷口自身も同じ心性を持っていたと推測される。しかし、フィロバティズムだけでは人間関係や社会に適応できないため、フィロバット(フィロバティズム的心性の持ち主)は対象や物に対する拘泥という仕方で人生を乗り切っていこうとする。谷口も漫画家となり、当初は細密さと静止性(拘泥の表れ)を特徴とした作品を描き続けていたが、東京郊外への転居をきっかけとして、自らの心の奥に潜む広がりへの志向(フィロバティズム)に気づき、散歩もの漫画を手掛けるようになったことは十分に考えられる。