著者
野地 遼一 阿部 隼多 伊藤 貴洋 諸戸 貴志 濱川 礼
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:21888914)
巻号頁・発行日
vol.2016-EC-41, no.22, pp.1-6, 2016-07-29

本論文ではより印象的に自己の感情を相手に伝える手段として,頭頂部に装着する 「アホ毛」 を模した触覚型デバイス 「Ahogation」 の提案と,その効果の検証について述べる.「アホ毛」 とは日本の若者言葉であり,昆虫に見られる触覚器官のように,寝癖・癖毛によって頭部から飛び出して立っている毛束のことを指す.テレビアニメーションにおいてはその毛の動きや色の変化が,感情表現の技法の一つとして用いられている.本研究では触覚型デバイスを LED による発光と,サーボモータによる傾倒動作の組み合わせによって現実世界で実現させた.評価実験では,喜怒哀楽の 4 つの感情に対応した動作を判別できるか 14 名にアンケートを実施した.その結果,怒と哀に関しては約 90%伝達ができていた.しかし喜と楽は表現する感情が似ていた為,約 40%の人が誤認識した.
著者
諸戸 貴志 濱川 礼
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.322-327, 2016-07-06

日常生活中に出来る運動である階段の利用に対する意欲をゲーミフィケーションを用いて楽しさを感じさせることで向上させ,日常生活内で負担なく運動を行えるようになると考え,効果の検証のためにシステムの開発と評価を行った.近年のヘルスケアブームにより,サイクリングやランニングなどの運動を積極的に行う人が増えてきた.しかし,これらの運動は時間の確保や意欲の維持などが必要となる.本研究では運動のために時間を割くことなく日常生活中において出来る運動として階段の昇降に注目した.階段の昇りは,通常の歩行に比べ約 3 倍の運動量となりジョギング並の運動量になるとされるため,階段を利用することで日常生活に負担なく運動をこなす事ができると考えた.しかし,階段利用による健康意識はあるが行動に結びつかない人や継続して利用出来ない人など多くいると考えられる.本研究では近年多くの分野で注目されているゲーミフィケーションを用いることで階段利用を楽しく感じさせることで意欲の向上が出来ると考えた.ゲーミフィケーションとは楽しませ熱中させるゲームの要素や仕組みを用いてユーザの意欲を向上させ,日常の行動を活性化させようとするものである.ユーザーはカメラ付き HMD を装着し,AR により階段に付与されたゲームの要素の報酬を HMD を介して閲覧する.これにより少しでも楽しく階段利用が出来ると考えた.