著者
佐々木 薫 秦 二朗 諸泉 利嗣
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会論文集 (ISSN:18822789)
巻号頁・発行日
vol.85, no.1, pp.II_45-II_52, 2017 (Released:2017-06-28)
参考文献数
18

高速道路では, 冬期に路面の凍結を防止するために塩化ナトリウムを主成分とする凍結防止剤が散布されている.凍結防止剤は, 車両等によって道路沿線に飛散し, その濃度に応じて植物への生育阻害をもたらす恐れがある.本研究では, この塩化ナトリウムが農作物や農地土壌及び農業用水へ影響を与える閾値を整理し, そして, 高速道路沿線の農地土壌への塩化ナトリウムの飛散浸透量や農業用水への流入量を調査し, 農地土壌や農業用水に与える影響を評価した.その結果, 道路端1.5m畦部において塩素濃度が90mg·kg-1と閾値400mg·kg-1の23%, 交換性ナトリウム飽和度が16.3%と閾値20%の81.5%であった.また, 農業用水は, 農繁期で電気伝導度が0.15dS·m-1と閾値0.3dS·m-1の50%であった.何れも, 閾値以下であり, 農地土壌や農業用水への影響は極めて少ないことが明らかになった.
著者
伊藤 尚也 津村 悠斗 諸泉 利嗣 三浦 健志
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集
巻号頁・発行日
vol.28, 2015

近年,気候変動に伴う温暖化や都市部でのヒートアイランド現象を起因とした気温上昇により,熱帯夜や熱中症の増加が大きな問題となっている.気温上昇を緩和する簡易的な手法として,従来から地表面への散水が従来から行われてきた.本研究では,アスファルト面にスプリンクラーを用いて散水を行い,夏季から秋季にかけての気温緩和効果およびWBGTに与える影響を実験的に検討した.その結果,黒球温度,気温,WBGTおよび水蒸気圧に散水効果が見られた.また,同じ条件下では秋季よりも夏季の方が散水効果の大きいことが分かった.
著者
赤江 剛夫 諸泉 利嗣 守田 秀則 石黒 宗秀 濱田 浩正 濱田 浩正
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

(1)インド洋津波による農地海水被曝事例を調査した。衛星画像と地形情報を用いて被害域を推定する方法を提案した。(2)現地除塩枠試験により、海水被曝地の除塩方法として湛水リーチング法が最も効果的であることを見出した。(3)湛水リーチングによる除塩用水量を評価する除塩特性指標を提案し、その有用性をカラム実験と数値シミュレーションで確認した。(4)除塩特性指標を対象地域にマッピングし、人為的な除塩必要性を判定した。(5)沿岸低平農地の除塩のための最適用水配分の策定法を開発した。