著者
谷 武幸 窪田 祐一
出版者
日本原価計算研究学会
雑誌
原価計算研究
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.107-118, 2012

M&A後に,買収企業は被買収企業にマネジメントコントロール・パッケージとしての管理会計システムを導入することがある。新たな戦略の実施には組織変革を必要とし,このために管理会計システムが役立つ可能性がある。本研究は,京セラミタのアメーバ経営導入のケースにより,戦略実施や組織統合に対する管理会計システム導入の有効性を明らかにしたい。
著者
谷 武幸 ALI Arnaut HORVATH Pete HOPPER Trevo SCAPENS Robe 加登 豊 TREVOR Hopper PETER Horvath ROBERT Scapens ARNAUT Ali HORYATH Pete HOPPER Trero SCAPONS Robe WANGENHEIM S
出版者
神戸大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1996

平成10年度には、過去2年間の研究を踏まえて、研究成果の総括を行った。研究の成果は、次の3点にまとめることができる.(1) 原価企画の日独比較。3年間のフィールド調査に基づいて、またすでに実施済みの日本企業対象の「原価企画の実態調査」をドイツ企業対象に実施した.これらの比較調査の分析観察結果については、8月に神戸大学でワークショップを開催し、日米の研究者・実務家が参加してディスカッションを行った。このワークショップでのディスカッションをフィードバックして、研究成果をとりまとめ、公刊することにしている。(2) サプライヤーマネジメントの日独比較。これについては、平成9年度に行った日独比較のサーベイ調査をとりまとめ、論文を公刊した。ドイツ企業において、試作から量産までのリードタイムが長くなっている要因をサプライヤーマネジメントの観点から析出できた。(3) グローバル組織の管理会計に関する日英比較。次の諸点が明らかになった。1 日本の多国籍企業は、本社主導でマネジメントコントロールを行う傾向があること2 日本における場合と同様に、業績評価を行うが、それとインセンティブとの関連が希薄なこと3 指揮や指示がハイコンテキストな方式で行われる結果、現地人管理者には不平や不満が少なくないこと4 現地からすれば、不要だと思われるような頻繁で大量の情報を本社が要求すること、そして、それらの情報に基づいた本社からの指示がほとんと行われていないこと5 上記の点を含めて、「マネジメント・コントロール」という用語が世界共通で用いられるにもかかわらず、その意味の理解については、国ごとに相違があり、このことが、多国籍企業のマネジメント・コントロールの実施にあたって,多種多様な問題を生じさせていることなどが明らかになった。