- 著者
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加登 豊
- 出版者
- 公益財団法人 牧誠財団
- 雑誌
- メルコ管理会計研究 (ISSN:18827225)
- 巻号頁・発行日
- vol.12, no.2, pp.3-18, 2021 (Released:2022-03-08)
- 参考文献数
- 101
- 被引用文献数
-
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「管理会計とは何か」「管理会計の本質はなにか」「管理会計に期待される機能は」という根源的な問いに答えることなく,あるいは,これらに対する回答は自明であるという前提のもとで現在の管理会計研究は進められている。かつて,管理会計研究の主要テーマであった管理会計の存在意義の検討は,いつの間にか行われなくなった。そのこともあって,昨今の管理会計研究は,管理会計の経営実践への有用性という視点から見れば羅針盤を失って漂流する難破船,あるいは,荒地に勝手気ままに育つ根無し草の様相を呈している。そのような管理会計研究は,経営者や上位管理者からも,また,他の経営学の研究者からも一瞥もされない。それにもかかわらず,研究者にはこのような現状を憂うる気配すらない。
本論文では,管理会計の存在理由を再確認した後に,なぜ管理会計の意義は忘れられがちになるのかを説明する。そして,管理会計の有用性を経営実践の場で正しく認識してもらうための方策やこのトピックスに関する検討事項を明らかにする。