著者
谷口 展郎 千田 浩司 塩野入 理 金井 敦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.616, pp.7-12, 2006-02-16
被引用文献数
2 1

近年,ネットでの社会活動の比重の高まりにより,オークション詐欺やフィッシングなどの問題が深刻化しつつあるため,アイデンティティ管理(ID管理)システムが改めて注目されている.他方,ID管理システムは,これまでネット社会でプライバシーや表現の自由を守ってきた匿名性を排してしまうのではないか,との懸念の声も多い.アイデンティティエスクロー(IDエスクロー)は,通常は匿名だが,必要に応じ本人性を確認できる手段を提供し,ID管理と匿名性の両立を目指す枠組みである.筆者らは,匿名性/仮名性/本人性の三層構成を持つ分散型IDエスクロー"DECIDE"の研究を行っている.本稿では,匿名性/仮名性/本人性について論じたうえで,DECIDEを含むIDエスクローがこれらを扱うモデルを示す.
著者
千田 浩司 谷口 展郎 塩野入 理 金井 敦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.33, pp.235-240, 2005-03-23

本稿では、権限分散型の不正ユーザ追跡機能を持つ匿名認証方式を提案する。提案方式は、単純な代理アクセスによって被認証者のプライバシを保護し、フェアブラインド署名及び閾値暗号の利用により、閾値数以上の預託機関が協力してはじめて被認証者の追跡が可能となる。被認証者が認証相手に与える情報は、鍵更新する事無しに、容易に被認証者と結び付く情報を一切含まない。更に不正ユーザの署名鍵は、閾値数以上の預託機関が協力する事で即時に無効化出来る。This paper proposes an anonymous authentication system that identifies a malicious user in a threshold manner.The proposed system protects user privacy by simply using proxy servers and employs a fair blind signature and threshold cryptosystem to identify a malicious user.In the system, each signature is separable against a verifier without updating secret/public keys and the certificate, moreover, any secret key can easily be revoked if a certain number of escrow agents collaborates.