著者
安田 豊 中山 雅哉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.56, pp.19-24, 1999-07-15

インターネットにおけるネットワークアプリケーションは一般にサービス能力のスケーラビリティを要求される。分散化はスケーラビリティを確保するための一つの方法であるが、本稿では1997年以来幾度か日蝕インターネット中継のためのWWW分散サーバ群を構築・運用してきたので、まずこれについて報告する。次に1999年2月の日蝕で試みた各分散サーバの処理分担率を動的に調整し得る手法を示し、アクセスログの分析結果からその有用性を検証する。Internet application will be required a scalability of it's service performance. Distribution is the one of technique to keep the scalability. This paper shows some distributed WWW servers system case for solar eclipse live from 1997. And the advantage of it is shown by the analyzing the access log of of Feb 1999 eclipse live. It contains the effectiveness evaluation of dynamic adjustment a rate of sharing.
著者
松本 勉 岩村 充 佐々木 良一 松木 武
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.30(1999-DPS-097), pp.13-18, 2000-03-21

計算量的仮定に基づく暗号による電子署名方式は,技術環境が変化すれば,十分な安全性をずっと保ち続けられるとは限らないという性質を持つ.よって,本来自分だけが持つはずの暗号的署名生成機能を他のエンティティが持っているという状況が生じえる.このため,自分が署名した覚えのない電子文書が提示されたとしても,自分は署名していないことを調停者に対して証明できること,すなわち「電子署名アリバイ(電子署名の非生成証明)」を実現する機構が求められる.我々は,署名生成者の署名履歴?これには他のエンティティの署名履歴との交差が含まれる場合もある?に依存して署名生成を行うという「ヒステリシス署名」とそれを基礎とする電子署名アリバイ実現機構を提案する.
著者
山本 太郎 寺西 裕一 梅本 佳宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.102, pp.19-24, 2000-11-09
被引用文献数
8

本稿では,電子的に保存された医療情報を広域ネットワーク上で安全に流通させるための一手法として,我々が研究開発してきたXMLコンテンツ流通管理システム'iSquare'を用いた医療情報システムの実現方法を示す.iSquareを医療情報システムに適用させるために,(1)汎用的条件に応じた開示制御を実現するための,拡張XPath記法を用いたコンテンツ利用制約管理機構,(2)緊急時のルールを優先させるための,優先度を考慮したポリシー制御機構,(3)医師等の属性を証明するための属性認証機構の拡張を行っている.これらの拡張により,柔軟な開示条件設定のもと,信頼できる利用者に対してのみ開示制御を行う医療情報システムの実現が可能となった.This paper describes an implementation of the safe, distributed medical information system on our XML content sharing system, 'iSquare'. To apply iSquare to medical information system, we extended iSqure as follows: (1) the usage restriction management system using extended XPath notation for an access control which allows multi-purpose conditions, (2) the policy management mechanism which gives priority to emergency rules (3) the attribute authentication mechanism to certificate the personal attribute like 'doctor'. These extensions enable iSquare to be a platform for a reliable, distributed medical information system which has flexible access control.
著者
豊田 正隆 勅使河原 可海
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.16, pp.405-410, 2007-03-02

同人誌即売会に参加するサークルは、即売会の直前に発刊情報をサークルのサイトで公開する場合がある。しかし、一般のサーチエンジンでは個人サイトで公開されて間もない情報を検索できない。我々は、個人の所有する計算機資源を利用して、簡易に構築・運用が可能な分散 Web 検索システムの研究を行っている。試作システムを用いて実験を行い、既存の商用サーチエンジンと比較しても、最新情報の検索に有利であることを確かめた。Some circles which participate a comic convention sometimes publish what they will distribute just the day before the convention. However, a general search engine which crawls the whole web cannot retrieve instantly such newly published information because of a trade-off relation between crawling range and frequency. In this background, we designed and developed a distributed web retrieval system focused on personal web sites. This system has features of utilization of individual computing resources and easiness to construct and to operate on the peer-to-peer network infrastructure. We evaluated by an experimental use and found that this system achieve better performance for retrieving fresh information than a conventional general search engine.
著者
佐藤 裕幸 近山 隆 石橋 弘義 吉田 かおる 内田 俊一
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS)
巻号頁・発行日
vol.1986, no.65(1986-DPS-031), pp.1-8, 1986-09-29

SIMPOSは、ICOTで開発された個人使用向逐次型推論マシンPSIのオペレーティング/プログラミング・システムであり、以下のような特徴を持っている。・論理型言語にオブジェクト指向機能を付け加えたプログラミング言詔ESPによりすべて記述されており、ESPの提供する継承の機能を用いることにより、ユーザはOSの機能を自由に活用することができる。・ウィンドウ・システムを中心とした高度なマンマシン・インタフェースとESPに適した豊富なデバッグ機能を提供している。・個人使用向のワークステーションの弱点を補うためにネットワーク機能を強化しており、資源の共有化を促進している。SIMPOSは1983年5月から開発が開始され、現在、約40人のメンバーで第3.0版を開発中であるが、その規模はソース・プログラムの行数にして20万行を越えるものになっている。また、PSIはICOT 関連メーカ 大学等で利用されており、その数は今年度中に100台を越えようとしている。本報告では、SIMPOSの提供する機能の概要及びユーザ・インタフェース,ネットワーク機能を中心に報告する。
著者
田中 理恵子 塚本 昌彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.39, pp.1-6, 1994-05-19
被引用文献数
3

本稿では,移動体を適応的にサポートするための考え方とそれに基づくプロトコルを提案する.移動体をサポートするためには,一般的にルータが,移動体の現在位置の通知とデータパケットのフォワーディングを行なう必要がある.ネットワーク構成や移動特性が様々に異なるネットワークにおいて,移動通知の方式とデータフォワーディングの方式を複数の方式の中から適応的に選択することによって,ネットワーク全体のトラフィック量を減らし,資源の有効利用を図る.IPネットワーク,CLNPのエリア内,エリア間,ドメイン間,無線LANなどにおいて移動体をサポートするのに適用可能である.In this paper, we propose a new strategy for mobile communication and a protocol based on it. To support host mobility, a router is generally required to notify the location of a mobile host to other routers, and to forward packets to the mobile host. By adaptively selecting notification mothod and forwarding method, the total traffic of control and data packets can be reduced under diverse network configuration (e. g., network topology) and wide range of mobility characteristics (e. g., migration frequency). The notion of adaptive support for mobile communication can be applied to IP networks, CLNP networks, and wireless LANs.
著者
坂本 大吾 橋本 浩二 米本 清 柴田 義孝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.18, pp.7-12, 2000-02-09
参考文献数
3
被引用文献数
2

本論文では、災害時に有効な情報ネットワークシステムについての基本的考察を行う。まず第一に、現在のシステムの問題点、災害情報ネットワークシステムに要求される必要条件を考察する。これらの問題点を改善と必要条件を考慮するため、モバイル環境を基本に、GPSなどの新しい技術との融合し、災害時であっても被災地の住民が情報の発信と収集ができ、さらに被災地外の人々もインターネットを利用することにより、被災地の情報を入手可能な情報通信システムを提案する。特に、被災者の安否情報や各避難所で必要な救援物資の情報を、被災地外にすばやく公開し、また災害発生直後から、被災者一人一人に安全確保のための適切な情報を配信できる情報通信手段を考察する。最後に、被災者の安否情報を、被災地に構築した無線通信網を使って収集し、インターネットを通して広く公開可能なプロトタイプシステムの設計について述べる。In this paper, disaster prevention information network for earthquake, mountain explosion, hydraulic bore, are discussed. System requirements and functionalities for there systems are analyzed. We proposed a new information network system based on radio and wireless communication to satisfy those requirements, including GPS function, Internet information multicast function, bidirectional communication function. Various types of source information when disaster happened to be collected or broadcasted are pricisely discussed. Finally a prototyped system based on radio and wireless network is discussed.
著者
小須田 優介 佐々木 良一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.21, pp.297-302, 2008-03-07

ウェブアプリケーションにデスクトップアプリケーションに迫る機能や操作性をもたらす Ajax という技術がある.本研究ではこの Ajax を用いて,OS などの環境に依存しない SSH クライアントシステムの提案と実装を行う.JavaScript により,ウェブブラウザ上で SSH パケットを生成し,ウェブサーバに SSH サーバへの TCP 通信を代理してもらうことで,エンドツーエンドの SSH 通信を実現する.動作実験により,複数のウェブブラウザと携帯電話で動作することを確認した.Ajax is used to make web applications behave as if they are desktop applications. In this paper, we propose and implement SSH client system using Ajax which is independent from OS. In our system, SSH packets are generated by JavaScript on a web browser, and a web server acts as proxy to send the packets to SSH server. Thus end-to-end SSH communication is realized by achieving above function. The result of experiment shows that the system is working correctly on web browsers in PCs and mobile-phones.
著者
竹辺 靖昭 美馬 秀樹 苫米地 英人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.87, pp.31-36, 2003-08-28

概要現在普及しているP2Pコンテンツ交換システムの多くでは,コンテンツの更新が考慮されておらず,検索機能も単純なものしか提供されていない.このため,テキストを含むコンテンツや,頻繁に更新されるコンテンツを対象とするのに適しているとは言い難い.我々が開発中のP2Pコンテンツ交換システムでは,中央サーバにおいてコンテンツのダウンロード先へのリンクを保持するデータ構造を採用し,それらのリンクを適切に管理することにより,更新されるコンテンツの改ざん防止および整合性の維持を行う.また,検索においては,クライアントでテキストの形態素解析を行い,中央サーバに転置インデックスを登録することにより分散処理による全文検索を実現する.本手法により,コンテンツ更新の頻繁なP2P環境においても,効率的かつ速やかに最新コンテンツへのアクセスが可能となる.本稿では,これらの手法を紹介するとともに,全文検索の負荷分散手法の予備的な実験結果を報告する.One problem with current P2P (peer-to-peer) systems is that the consistency between copied contents is not guaranteed. Also, the weakness of full-text search capability in most of the popular P2P systems hinders the scalability of P2P based content sharing systems. We proposed a new generation P2P content sharing systems in which the consistency of contents in the network is maintained after updates or modifications to contents are made. Links are maintained to downloaded contents from a server and updates and modifications to the contents can be immediately detected and hence reflected on the future P2P downloads. Natural language processing including morphological analysis is performed by the P2P clients distributedly and update of inverted index on the server is concurrently conducted to provide efficient full-text search. The scheme and a preliminary experimental result are reported.
著者
吉村 伸 徳川 義崇 村井 純
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.53(1991-DPS-051), pp.1-8, 1991-07-05

学術研究のためのコンピュータネットワークは、1984年のJUNETの実験開始に始まり、その後順調に参加組織が増加し、発展を続けている。それとともに、WIDE,TISN,JAINといったIP Networkの構築が進み、BITNETなどとともに、国際的な接続性を有した、学術研究ネットワークを形成している。我々は、これらネットワークの発展、相互接続の変遷に関して調査し、現状を把握するために若干の実験を行なった。本論文では、その結果について報告する。
著者
平原正樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.121, 2006-11-16
被引用文献数
1

20年以上前に生まれたインターネットプロトコル(IP)につぎあてしていくのには限界がある。そのアーキテクチャの根本的見直しやプロトコルの再設計が必要ではないか?キャリアはITU-Tなどで次世代ネットワーク(NGN)としてIP技術の導入を進めているがその将来への道筋はどうなのであろうか?「次世代」は、携帯電話の第3世代のように、あるいはIPv6のように、ある確立された技術の改良版であるのに対して、「新世代」とは、携帯電話やIPそのものが初めて生まれた時、それは既存技術の延長上になかったことを指す言葉である。米国NSFが計画中のGENIや、EUでのEuro-FGIなどでも、白紙の状態からの研究開発の重要性が指摘されている。情報通信研究機構(NICT)も、新世代ネットワーク研究開発を2006年度からスタートさせている。これらはすべて、次世代ではなく、新世代ネットワーク研究と言える。次世代が5年程度の短期的な研究開発であるのに対し、新世代は10年後以降の技術を前提にした長期的な、基礎的な研究開発である。本講演では、新世代ネットワーク研究の必要性、世界的な状況に触れた後、NICTをコアとする新世代ネットワークアーキテクチャの研究開発について紹介する。個々の領域のサブアーキテクチャに留まらず、全体のグランドデザインを目指し、10年後の光ネットワーク技術やワイヤレスデバイス技術に基づいたネットワークアーキテクチャの確立を目指している。アーキテクチャとは、設計原理に基づいた要素技術の組み合わせ方であり、そのために技術の取捨選択と統合の作業が必要となる。10年後のネットワークに対する要求や使い方、10年後のネットワークを支える要素技術を予測することは難しいけれども、多様性を増す人類の可能性を妨げずに伸ばすものでなければならない。現在の技術との連続性を忘れて行う設計が本当に陽の目を見るか判らなくても、少なくとも我々は、理想の将来ネットワーク像を持たなければならない。それが、現在進行中のネットワーク研究開発に対し、将来への方向性を差し示し、ネットワーク基礎研究から応用研究への掛け橋となる。
著者
岡 啓明己 桧垣 博章
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.54, pp.57-62, 2008-06-12

車載移動コンピュータにおけるデータメッセージの無線マルチホップ配送では、その分布が疎である領域では、コンピュータがデータメッセージを保持して移動することによってメッセージの到達率を向上させることが可能である。本論文では、車載移動コンピュータと交差点の位置を道路、と基準点からの道のりの対で表現し、これを用いてカーナビゲーションで検出した経路に沿ってデータメッセージを配送する手法を提案する。ここでは、経路探索に制御メッセージの交換を必要とせず、車載移動コンピュータの高移動頻度と高移動速度および低分布密度に対して耐性のあるデータメッセージ配送を実現する。In wireless multihop data message transmission by multiple mobile computers in ITS systems, even though in an area with sparsely distributed mobile computers, mobility of a computer with transmitting data messages helps to achieve high data message transmission ratio. This paper proposes data message transmission along a sequence of roads detected by a GPS satellite navigation system. Due to combination of dynamic determination of intermediate mobile computers and a store-carry-forward approach, higher transmission ratio and shorter end-to-end delay are achieved even with high mobility and sparse distribution.
著者
井出 明
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.96(2006-DPS-128), pp.115-120, 2006-09-15

近年、高度情報化社会の進展に伴って、ネットワーク上のストーキング行為が多数報告されつつある。リアルスペースでのストーキング行為に関する規制法は、既に立法化され、不十分ではあるものの一定の効果を上げつつある。本稿では、リアルスペースとサイバースペースにおけるストーキング行為を比較しながら、サイバーストーカー(=ネットストーカー)の特性について検討し、行為主体と行為客体に基づいて類型化を図る。その上で、可能な対策についても類型別に提示した後、将来的な展望にも言及する。
著者
城島 貴弘 子林 秀明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.117, pp.23-28, 2008-11-20
被引用文献数
1

近年インターネットの普及と Web サービスの発達により、ネットバンキングやイーコマース (EC) などのオンライン上での商取引や物販、金融サービスが既に一般化している。しかし、銀行の窓口業務における口座開設やローン相談など、対面による接客によって契約が成立するサービスについてはオンライン化がまだまだ困難である。本稿では、リモートに離れたユーザ同士が共通の Web ページを同時に共有操作可能な Web ページ共有方式を提案し、これを用いた対面業務のオンライン化手法及びその課題について検討する。As the spread of the Internet and the advances in Web services, such as trading services, net-banking services, e-commerce services and so on, online services based on World Wide Web has been a commonplace. But it is still hard to make an online service of meeting sales such that the window services on a bank: an account opening application, a consultation of loan, and so on. So we propose the web page sharing method that makes it possible for each remote user to operate a web page simultaneously, and discuss some troubles on filling out an application of web form.
著者
今井 功 佐藤 文明 勝山 光太郎 水野 忠則
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.83(1991-DPS-052), pp.147-152, 1991-09-24

我々は,並行オブジェクト指向言語superC^2の開発を行なった.これは,複数の計算機がネットワークによって接続されている分散環境上で,作動するアプリケーション・ソフトウェアの開発を行なうために言語レベルで提供したものである.superC^2では従来,通信ソフトウェア用に開発したオブジェクト指向言語superCの性質を完全に受け継ぎ,更に並行処理動作を可能としている.本論文では,superC^2の設計構想とシステムの実現方式について報告するとともに,分散システムに発生する問題を解決するアルゴリズムの設計をもとに実用的な面からの評価について論じている.
著者
金澤 正憲 平野 彰雄 赤坂 浩一
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.39(1994-DPS-065), pp.145-150, 1994-05-19

多くの研究者が共同で利用する大型計算機システムでは、利用者の保存ファイルおよびセンターの提供するデータベースの容量は、増加の一途を辿っている。しかし、すべてのファイルが毎日参照されるわけではなく、3ケ月から数ケ月間まったく参照されないファイルもある。このような状況に対して、ファイルの階層化が採用されるのが通常である。ここでは、京都大学大型計算機センターで導入した利用者保存ファイルに対する階層ファイルの構成・概念と運用について述べる。さらに、利用者保存ファイルのバックアップとリカバリの方式についても述べる。
著者
柴田 浩明 富澤 智 遠藤 博樹 渡部寿基 大城裕史 加藤由花
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.117, pp.25-30, 2007-11-26
被引用文献数
3

携帯端末で構成されるアドホックネットワークによりサービスの局所性を実現する音楽配信システム JAMS(JAMaisvuSystem)の研究を進めている JAMS は,利用するたびに受けられる内容の異なるサービスの実現を目指しており,これにより,日常生活に驚きや楽しみを感じてもらうことを設計指針としている.JAMS の特徴は,モバイル端末による効率的な音楽ファイル共有を実現するために,アドホックネットワーク上に音楽ファイルのキャッシュを配布することと,場の特徴量を定義することによりトユーザに自身が滞在する場の特徴を把握させ,意外性のあるサービスの実現を可能とすることである.本稿では特に,コンテンツの局所性を表現する方法について考察し,場の特徴量を提示する効果を示す.This paper proposes a music delivery system, JAMS (JAMais vu System), which uses ad hoc networks with mobile devices for the localization service. The goal of JAMS is to provide unexpected and subconscious services, and the design concept is to give the users a surprise and a pleasure in their daily lives. JAMS has two features. One is the adaptive cash delivery function depending on each node requests in order to reduce CPU power of mobile devices. The other is the function displaying the feature vector of the space-time field. The function makes it possible to express localization of contents and to provide subconscious services to JAMS users. In this paper, we especially consider the methods to express the localization of contents.
著者
江谷 為之 角 康之 シドニーフェルス 間瀬 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.31, pp.43-48, 1998-04-23
被引用文献数
4

本稿では我々の研究プロジェクトC-MAP(Context-aware Mobile Assistant Project)におけるエージェントベースの適応型支援アーキテクチャの概要を述べる。C-MAPでは、博物館や研究所公開などの展示空間を構成する見学者/説明員、展示物/デモ、展示サイトなどの関係要素に対してエージェントを配置し、それらの動的属性に振舞いを相互適応させることで、見学者の興味や知識の推移に応じた展示ガイド、人間同士の出会い支援を目指す。ここでは、展示空間における動的関連性を考慮した相互のコミュニケーション支援について考察し、それらを実現するための支援アーキテクチャについて議論する。This paper is to discuss our agent-based support architecture in C-MAP; Context-aware Mobile Assistant Project. C-MAP is an attempt to build an exibition environment like museum that provides enriched information to visitors based on their individual context like location, interests etc. In this environment, elements that compose exibition space like human, object, site are represented as agents that communicate with each other in adaptive manner. Basic support functions and architecture for this adaptive exhibition environment are discussed in this paper.
著者
久野 敦司 大野 広視 中沢 実 服部 進実
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.3, pp.75-80, 2005-01-20
被引用文献数
1

ユビキタスセンサネットワークの多くの研究は、多数のセンサをインターネットに接続するために、無線ネットワークを用いている。しかし、現状のユビキタスセンサネットワークは我々の社会に大きな問題をもたらす可能性がある。もし、多種類のセンサが我々の社会のいたる所に配置されると、我々はプライバシーを保てなくなる。そこで、本稿では植物をセンサとして用いることで、この問題を解決できることを提案する。植物の出力信号は植物にとっての教師としての役割を果たす人間によって実行される学習プロセスの実行によってのみ、センシングデータとすることができると考える。すなわち、植物は人間の協力無しには、センシング能力を得ることができないのである。もし、人間によって十分な個数の植物にセンシング能力が与えられたならば、複数のセンサ出力に対する多数決論理によって生成される教師データを用いた学習によって、そのセンシング能力を維持できることについて提案する。Almost of researches about a ubiquitous sensor network uses a wireless network that connects many sensors with Internet. But there may bebig problems on this ubiquitous sensor network for our human society. If many kinds of sensors are deployed everywhere in our society, we can not keep our privacy. If we use a plant as a sensor, we are able to solve this problem, because the output signal from plant can be used as a sensing data only after a learning process that is performed by a human who acts as a teacher for a plant. So, a plant can not have a sensing ability without human's cooperation. If enough number of plants is given a sensing ability by human, the sensing ability can be maintained by learning process with the teaching data that is generated by majority logic on a plurality of sensor outputs.
著者
谷本 直人 藤村 考
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.3, pp.37-42, 2005-01-19

ネット・コミュニティにおいて提供される様々な情報の評判を定量化する方法を述べる。本稿で提案するEigenRumorアルゴリズムは、コミュニティの参加者による情報の提供と、提供された情報に対する参加者による評価という2種類の行為を参加者から情報へのリンクとみなし、リンク分析によりそのネット・コミュニティでの情報の評判をスコアリングする。本アルゴリズムは、コミュニティ参加者の貢献度も同時に算出するため、コミュニティの中の「良い」参加者を特定するためにも有効である。また、評判の算出で重要な「さくら攻撃」に対する耐性について評価した結果を報告する。This paper describes a method for quantifying the degree of reputation for information resources provided in Electronic communities. The EigenRumor algorithm, proposed here, calculates the reputation scores based on a link analysis approach by considering information provisioning and information evaluation actions as links from participants to information resources. This algorithm also calculates the contribution level of participants in the electronic community and it is used to identify "good" participant as well as "good" information. The robustness of the algorithms against "ballot stuffing" attack is also discussed.