著者
大倉 鉄郎 大倉 俊介 松岡 俊匡 谷口 研二
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.95, no.10, pp.235-239, 2012-10-01
参考文献数
4

マージド・キャパシタ・スイッチング法を用いたパイプラインA-DコンバータについてMDACセグメント内のキャパシタミスマッチに関する解析を行った.MDAC回路に用いるキャパシタのセグメント内差動ミスマッチによってDNLが悪化し,また差動間グラウンド電圧にコード欠け発生確率が依存することを明らかにした.A pipelined ADC with merged capacitor switching technique is analyzed taking account of differential capacitor mismatch in a segment of MDAC. Our analysis revealed that the differential non-linearity (DNL) degrades as the differential capacitor mismatch increases. It is also revealed that the probability of missing code is reduced by setting the common reference voltage to the center of refference voltages.
著者
清水 新策 松岡 俊匡 谷口 研二
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.86, no.8, pp.878-885, 2003-08-01
参考文献数
5
被引用文献数
1

VLSI システムにおけるパラレルバスに Code-Division Multiple Access (CDMA) 技術を用い,低消費電力の Parallel-CDMA (P-CDMA) インタフェースを提案した.P-CDMA はデータを複数の信号線に拡散させるため,局所的なノイズに強い.また論理"H","L",そして"M"の 3 値で伝送するため高速転送が可能であり,パワー遅延積は従来の小振幅及びフルスイングインタフェースに比べてそれぞれ 22%,70% 削減できた.また 0.35 μm CMOS ルールで 15 bit 3.9Gbit/s の Parallel-CDMA インタフェースを設計し,回路シミュレーションにより正常動作を確認した.
著者
桑村 信博 谷口 研二 浜口 智尋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C-II, エレクトロニクス, II-電子素子・応用 (ISSN:09151907)
巻号頁・発行日
vol.77, no.5, pp.221-228, 1994-05-25
被引用文献数
25

単一電子トンネル現象では個々の電子の動きそのものに意味があり電流という概念はほとんど意味をなさないため,この現象を応用した回路の解析には従来からの回路シミュレーションの手法が適用できない.そこで我々は個々の電子の動きを扱うことのできるモンテカルロシミュレータを作成し,このシミュレータを利用してTucker^(1)によって提案されている疑似CMOSインバータ回路の過渡的な動作特性を評価した.その結果,負荷容量の値によって疑似CMOSインバータ回路の出力が異なってくることがわかった.また動作速度についても,1aFの容量をもったトンネル接合が精度良く作製できれば約10psの伝達遅延時間が可能であるという結果を得た.更にインバータ出力分布の標準偏差を調べることにより,インバータ回路を集積化した場合の動作温度の限界について定量的な考察を行った.
著者
カジ D.M.コースル 谷口 研二 浜口 智尋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス
巻号頁・発行日
vol.94, no.11, pp.71-78, 1994-04-21

極薄い酸化膜厚のp型MOSトランジスターを用いて,基板への正孔注入実験を行い,酸化膜中での正孔の捕獲及び捕獲された正孔の緩和現象を調べた.酸化膜中での正孔の捕獲は,注入正孔密度が10^16>cm^-2>を超えたあたりで飽和する現象を観測した.注入後酸化膜中に捕獲された正孔が時間と共に緩和され減少し,その機構が酸化膜電界の符号によって異なることがわかった.酸化膜電界による緩和を詳しく説明し,熱処理について調べた結果を示した.