著者
中島 健介 末松 憲治 谷口 英司 竹田 英次 辛坊 俊行 佐々木 善伸 高木 直
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.557, pp.1-5, 2000-01-20
参考文献数
8
被引用文献数
2

近年, 移動体通信の普及により, 携帯電話等で使用されるL帯マイクロ波デバイスの小形化, 低コスト化が進んでいる.ここでは, これらデバイスを利用した低コストな移相器モジュール構成を提案する.この移相器モジュールは, GaAs SW-BANKとチップインダクタ / チップコンデンサで構成されたハイパスフィルタ / ローパスフィルタ切換え形の移相回路を低コストなガラエポ基板上に構成したものである.本構成によるL帯5ビット移相器モジュールを試作した結果, 従来のGaAs-MMIC移相器と比べ, GaAs半導体基板の総面積を約1 / 6に低減でき, また, サイズ, 性能ともに同程度の良好な結果が得られた.
著者
明星 慶洋 玉木 雄三 谷口 英司
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J105-B, no.9, pp.701-709, 2022-09-01

観測対象のケーブル導体にプローブ電極を近接させ,非接触の状態で電圧波形の観測を行う非接触電圧計測において,EMC分野での雑音や通信信号の計測を目的に,広帯域にわたり観測精度を向上させるための振幅・位相補償方式を提案する.非接触電圧計測はケーブル導体とプローブ電極との間に生じる結合容量(本論文では C0 と記す)を利用した計測手法であるが,観測波形に見られる誤差や周波数特性の主要因は,結合容量 C0 が微小量であることに依る.この状況において本報告では,電子機器の高周波信号や雑音波形の計測精度を高く保つため,AFE (Analog Front End)にて増幅素子を反転増幅に構成した位相補償回路に加え,AD変換後の信号処理における校正処理により,広帯域な振幅・位相補償を実現する手法について示す.これによりEMC分野における高周波信号やインパルス雑音の高精度な観測が可能となることを示す.