著者
谷川 昇 浦野 紘平
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会論文誌 (ISSN:18831648)
巻号頁・発行日
vol.9, no.5, pp.181-187, 1998-07-31 (Released:2010-05-31)
参考文献数
36
被引用文献数
3 2 12

都市ごみ焼却施設において, 乾電池の水銀含有量の低減化と塩化水素 (HCl) と二酸化硫黄 (SO2) の処理技術等が水銀の排出におよぼす影響を明らかにし, 東京23区および日本全国における都市ごみ焼却施設から排ガスとして大気中に排出される水銀量等を考察した。HClとSO2の処理技術として電気集じん装置 (EP) と組み合わせた粉体噴射法を採用している都市ごみ焼却施設において, 乾電池の水銀含有量の低減化によって, 水銀排出濃度が約0.25mg/m3Nから約0.08mg/m3Nへ低下したこと, 高い水銀排出濃度の出現回数が激減したことが確認された。HClとSO2の処理技術によって水銀が除去され, その除去率はEPと組み合わせた粉体噴射法では約35%, 湿式法では約65%, キレート剤を吸収液に添加した湿式法では約90%, フィルタ法では約75%であった。東京23区では, 1986年から1996年の間に焼却ごみ量は約1.27倍に増加したが, 乾電池の水銀含有量の低減化と排ガス処理技術の採用によって, 水銀の排出量は約1/6に減少した。また, 1992年の日本全国における都市ごみ焼却に伴う大気環境への水銀の排出量は約17t/yと推算され, 排ガス処理技術による水銀の排出削減量は約9t/yと推算された。
著者
米虫 敦 谷川 昇 澤田 敏 狩谷 秀治 野村 基雄 鎌田 実 中谷 幸 吉田 理絵
出版者
関西医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

経皮的椎体形成術後に放射線治療を施行を可能とするための基礎データを得ることが本研究の目的である。本研究により、骨セメントが放射線治療時の線量分布に与える影響を明らかにした。この結果を基にして、椎体転移による激しい疼痛の集学的治療として経皮的椎体形成術と放射線治療の併用療法が可能となり、疼痛緩和治療のイノベーションが創出される。本研究結果は、Radiology Research and Practice誌に公表した。
著者
澤田 敏 狩谷 秀治 谷川 昇 川口 あすか
出版者
関西医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

2つの離れた管腔臓器をX線画像ガイド下の遠隔操作で切開せずバイパスする方法と器具を開発した。この技術は特定の臓器に限定されず汎用性のある低侵襲治療法である。本研究ではブタを用い異なった臓器に計10回の経皮的バイパス作成術を行いすべてに成功した。病気による血管や消化管などの管腔臓器の閉塞は主に外科手術によってバイパスされるが、本研究の方法は低侵襲治療法であり外科手術が難しい患者にも行える。