著者
杉万 俊夫 谷浦 葉子 越村 利恵
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.136-157, 2006 (Released:2006-12-28)
参考文献数
11
被引用文献数
1

大学病院の中堅看護師(卒後数年の看護師)を対象としたリーダーシップ研修において,研修期間中に研修生が自らの職場改善を開始する研修プログラム(Already-Started型研修)を開発した。その研修プログラムでは,まず,2日間の集合研修において,①研修会場で研修生が自らの職場を分析し,職場改善のための行動計画案を策定する,②一旦,職場に戻って上司(看護師長)と計画を練り直した上で,計画実行の第一歩を踏み出す,③再び研修会場に戻り,各自の行動計画と第一歩の成果を発表し合う,というプロセスを踏む。その後4ヵ月の計画実行期間を挟んで,第2回目の集合研修(1日間)をもち,再び上司との話し合いによって,それ以降5ヵ月間の行動計画を固める。通常のOff-the-Job-Training(Off-J-T)では,研修中に意思決定したことが,職場復帰後,実行に移されにくいという問題があるが,本研修プログラムによって,その問題がかなり克服されることが見出された。また,本研修は,上司をはじめ職場集団が変化する有効なトリガーとなることも見出された。
著者
師岡 友紀 谷浦 葉子 三木 佐登美
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

看護基礎教育の臨地実習で「身体侵襲を伴う看護技術」を実施することは、新卒看護師にとってどのような意義があるか検討した。対象者175名のうち103名の同意を得、3ヵ月後・6ヵ月後・1年後に調査を行った。結果、身体侵襲を伴う看護技術を実施した場合、実施した技術に対する自己評価が高まるが、その傾向は全ての技術に当てはまらないこと、身体侵襲看護技術の経験のない場合はある場合と比較し就職1年後の離職願望が強いことが示された。実施の意義として「技術向上のための学習意欲が増す」と評価する割合が大きかった。