著者
豊田 有紀 後藤 健太郎 畑 啓昭 松末 亮 山口 高史
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.199-206, 2022-03-01 (Released:2022-03-31)
参考文献数
21

症例は77歳の女性で,受診3日前から湿性咳嗽,発熱があり,SARS-CoV-2 RNA検査陽性で前医入院となった.受診日に酸素化低下,食事量低下・嘔吐があり,CTで小腸壊死を疑う所見を認め,当院に転院搬送された.術前胸部CTで肺炎像を認めず,小腸壊死による腹膜炎の診断で緊急開腹小腸部分切除術を施行した.術後腹部症状は改善したが肺浸潤影が急速に増悪し,術後5日目に呼吸不全で死亡した.SARS-CoV-2 coronavirus disease 2019(以下,COVID-19と略記)患者に手術を施行すると肺合併症のため術後死亡率が高くなるという報告があり,可能なら手術の延期や非手術治療の選択が推奨されている.本症例は小腸壊死の疑いで非手術治療が困難だったことで緊急開腹術の適応と考えられたが,術後肺炎が急激に悪化し死亡した.術前肺炎像のないCOVID-19患者でも全身麻酔手術後の予後が不良であることを示唆する1例であり,周術期の感染対策と併せて,報告する.
著者
大島 永子 米村 真砂美 牟田 博行 松尾 康宏 増谷 瞳 豊田 有紀 蓑輪 咲子 長野 亜紀子 Eiko Ooshima Masami Yonemura Hiroyuki Muta Yasuhiro Matsuo Hitomi Masutani Yuki Toyota Sakiko Minowa Akiko Nagano わかくさ竜間リハビリテーション病院 わかくさ竜間リハビリテーション病院 介護老人保健施設竜間之郷 わかくさ竜間リハビリテーション病院 介護老人保健施設竜間之郷 わかくさ竜間リハビリテーション病院 わかくさ竜間リハビリテーション病院 わかくさ竜間リハビリテーション病院 Wakakusa Tatuma Rihabilitation Hospital Wakakusa Tatuma Rihabilitation Hospital Geriatric Health Services Facility Tatumanosato Wakakusa Tatuma Rihabilitation Hospital Geriatric Health Services Facility Tatumanosato Wakakusa Tatuma Rihabilitation Hospital Wakakusa Tatuma Rihabilitation Hospital Wakakusa Tatuma Rihabilitation Hospital
雑誌
藍野学院紀要 = Bulletin of Aino Gakuin (ISSN:09186263)
巻号頁・発行日
no.14, 2001-03-31

当院では,2年前より入院患者の「訓練室でできる日常生活動作(以下,ADL)」と「病棟でしているADL」の差を最小限にすることを目標に作業療法士(以下,OTスタッフ)の病棟担当制を導入している。OTスタッフが「できるADL」と「しているADL」の差の原因を見極め,病棟職員(以下,病棟スタッフ)へ分かりやすく伝達し,患者の能力を把握し「できるADL」の能力を「しているADL」へ近づけることが重要であると考え,病棟業務内にスタッフとの情報交換の場を設けた。具体的には,食事と入浴時間に病棟内での訓練を設定し,病棟スタッフとの申し送り時間を設け情報の共有を実施した。OTスタッフと病棟スタッフが認識する患者のADL能力の差についてFIM (Functional Independence Measure)を用い検討した。その結果,「できるADL」と「しているADL」の差を近づけることができた。