- 著者
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伊東 幸宏
小西 達裕
三浦 崇
赤塚 大輔
田村 貞雄
阿部 圭一
赤石 美奈
中谷 広正
- 出版者
- 情報処理学会
- 雑誌
- 情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
- 巻号頁・発行日
- vol.40, no.3, pp.821-830, 1999-03-15
- 参考文献数
- 9
- 被引用文献数
-
5
本研究では 歴史学研究の支援を行うシステムの構築を目的とする. 歴史学研究に利用される歴史史料の特徴を考察し それに基づいて歴史学研究において支援を必要とするポイントを検討し その具体的な実現方法 その方法に基づいて実装したシステムを紹介する. 対象をテキスト文書に限定し 膨大な史料の中から歴史学者の独自の視点から関心のある史料を選び出すこと 選び出した史料を歴史学者の主観に基づいて整理すること そして整理された史料を1つの空間に配置して全体を俯瞰しやすく提示すること の3点を取りあげ そのような支援を行うシステムの構成について述べる. そして その方法に基づき実装したシステムを紹介する. 最後に 実際に歴史学研究の仮説検証をし 評価を行う. 具体的題材として 1867年頃 伊勢神宮などのお札降りを発端として起こった「ええじゃないか」と呼ばれる事件を取りあげ 「ええじゃないか」に関する仮説を歴史学研究者がら提示してもらい 検証を行った.Our purpose is constructing a system of supporting researchers in history. In this paper, we describe a method of constructing the system, considering characteristics of historical materials and examining how to support historians. We describe three points of implementing the system. The first point is how to extract historical materials in which historians are interested. The second point is how to classify extracted materials. The third point is how to display classified materials. We discuss our methods of implementation and structures of data. Finally, we evaluate the effectiveness of our system by verifying the hypothesis which were set up by a historian. The hypothesis is concerned with the historical event "Eejanaika" that happened in 1867.