著者
越智 徹
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.35, pp.215-220, 2017-08-10

筆者は新入生を対象とした,情報リテラシー関連の授業を担当している.2014 年以前では,新入生の PC スキルは年々向上していたと感じられたのに対し,2014 年からは新入生のキーボード操作やファイル操作など,PC スキルが前年度よりも落ちているのではと感じることが多々あった.この原因は,急速なスマートフォンの普及と,それに伴う 「若者の PC 離れ」 があるのではないかと推測し,実態を把握するため 2015 年から 3 年間,新入生に対して PC とスマートフォンに関する調査を行った.本稿では 3 年間実施したこの調査を分析した結果を報告する
著者
越智 徹
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.37, pp.242-247, 2018-08-12

筆者が担当する授業「情報社会と倫理」において,Twitter における「マナー」についてアンケート調査を行った.このアンケート調査では,日本特有のマナーとしてよく話題に挙げられる「FF 外から失礼します」「無許可 RT 禁止」についてどう思うかについて学生の意見を求めたところ,「FF 外から失礼します,無許可 RT 禁止は守るべきである」と回答した学生は全体の 10%であり,理由として「その行いが他者を不快にすることや,自分が不快になるかもしれないようなことは自重すべき」「日本人の性質として最低限のマナーを守ろうとしている所から出てきたものなので遵守すべき」などが挙げられた.本稿ではこれらの意見から,現実社会とネット社会を地続きとして考える地続き型ユーザを提案し,これらユーザの違いについて考察する.
著者
越智 徹 館野 浩司
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.61-68, 2021-08-21

我々は,大学初年度情報リテラシー教育を担当している.2021 年度は前期授業開始直後は対面授業での実施となったが,関西地区での新型コロナウイルスの急拡大や緊急事態宣言の発出によって,4 月下旬からオンライン授業へと切り替わった.オンライン授業では,教室で実施される対面授業と比較すると,学習環境が学生によってさまざまに異なるという面があるが,一般に,自宅でオンライン授業を受講する際の,机や椅子といった什器を含めた総合的な環境についての推奨例など情報提供は行われていないようである.そのため,学生によってはオンライン授業独特の疲労が蓄積し,それによって学習の妨げになっているのではないかと考え,昨年度に引き続き学習環境や疲労についてアンケート調査を実施した.その結果,居室や PC 環境以上に,PC に対する不慣れからくる姿勢が疲労の原因となっているのではないかと推測された.
著者
角山 照彦 越智 徹
出版者
広島国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、学力の多様化に対応するため、動機づけに効果的とされる映画を活用して、習熟度および動機づけに大きな差がある大学生の英語運用能力の向上を目指した英語教材を開発した。開発教材は著作権法上の制約が少ないパブリックドメイン映画2作品を使用しており、映画の同一場面を素材とした難易度の異なるレベル別のe-learning教材であるが、実験の結果、習熟度の異なる3調査群すべてにおいて有意な得点上昇が観測された。
著者
倉本 充子 西田 晴美 越智 徹 釣井 千恵 ホーソン ティモシー・フロイド
出版者
広島国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

2年にわたり実施したコンピュータによる英文理解力テストを含む数種の調査と面接で得られたデータの質的分析を総合的に比較検討した結果、本研究において開発したタイプBの英文理解力テストは、学習者の英文理解力を予測するテストとして、限られた時間内で実施でき、かつ、十分な説明力があることが示唆された。これをWBT学習支援システムに組み込むことで、授業に参加する異なるレベルの学習者の自律学習習慣の形成を補助することが可能となった。
著者
門田 修平 野呂 忠司 長谷 尚弥 島本 たい子 越智 徹
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では「コンピュータ版英語語彙処理テスト開発に関する研究を、その中心的な成果として報告し、大規模なテストの妥当性の検証を行った。その結果、英語の語彙処理能力において、日本人英語学習者の場合には、「語彙知識量(語彙知識の正確さ)」と「語彙知識運用度(語彙アクセスの流暢性)」の間に乖離があり、この乖離の程度が、ある個人(被験者)内でも、どのようなプライム語の後で、どのターゲット語にアクセスするかによって大いに変わってくるという結論に達した。