著者
辻 弘美 川上 正浩
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要 (ISSN:13471287)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.63-73, 2007-01-31
被引用文献数
5

本研究では,携帯型唾液アミラーゼ活性測定器(cocorometer,ニプロ社)を用いて,唾液アミラーゼ活性の変化を主観的ストレス測定尺度POMS(Profile of Mood Scale)との関連性から検討した。102名の女性が実験に参加し,ストレス負荷課題と想定された鏡映描写課題の前後に,POMSにより主観的ストレスが,cocorometerにより唾液アミラーゼ活性が測定された。データに対して2要因(主観的ストレスの変化方向:[ストレス増加・ストレス減少]×cocorometer測定:[課題前・課題後])の分散分析を実施したところ,POMSの下位尺度である怒り-敵意尺度における主観的ストレスの変化が,唾液アミラーゼ活性における変化と関連していることが示された。本結果は,今後の簡易ストレス測定の妥当性をある程度保証するものであると考えられる。