著者
小川 利久 辻 英一 林原 紀明 丹羽 隆善 多田 敬一郎
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.76, no.12, pp.2869-2873, 2015 (Released:2016-06-30)
参考文献数
15
被引用文献数
2 4

頸部手術の際,胸管損傷により発生する乳糜瘻の頻度は1.0-2.5%と報告されており,低頻度ではあるが起こりうる.しかし,本邦における報告は極めて限られていて,詳細は不明である.われわれが行った380例の甲状腺癌手術,頸部リンパ節手術症例を対象に検討した.頸部郭清を伴う甲状腺乳頭癌手術症例は314例で,うち5例(1.6%)に,また頸部リンパ節生検や摘出術は66例あり,うち2例(3%)に術後乳糜瘻が発生した.いずれも左側の頸部郭清やリンパ節生検であった.乳糜胸水を認め胸腔ドレナージを要した症例は2症例であった.治療は,軽度な症例は脂肪食制限のみで治癒したが,一方で再開創・胸管結紮を行い治癒した症例は5例あった.近年,オクトレオタイドによる全身治療で治癒した2症例を経験した.オクトレオタイドは安全で有効な治療法と思われた.
著者
寳正 史樹 辻 英一 仲井 文彦 杉村 裕康 佐藤 淳
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第30回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.321, 2019 (Released:2019-11-20)

「焼却残さの資源化」は、最終処分場の確保が困難な国,地域において特に重要である。溶融技術は1,300℃の高温処理により焼却残さをスラグ、精錬原料(メタル、溶融飛灰)に転換する資源化技術である。溶融炉の燃料費低減は,「焼却残さの資源化」コスト低減に向けた重要な課題である。 一方,海洋プラスチック(プラ)問題,プラ輸入国の禁輸政策,バーゼル条約改正により「廃プラの国内処理・資源化」は各国共通の課題となった。高塩素濃度,複合材料,頑固な汚れなど材料リサイクルが困難な廃プラの有効利用は重要な課題である。 焼却残さ溶融炉における廃プラの助燃材利用は,「廃プラの国内処理・資源化」及び「焼却残さの資源化」コスト低減を同時に実現する技術である。浦添市クリーンセンターでは2017年より実証試験を経て廃プラの助燃材利用を開始した。本報では廃プラ助燃材利用前後の延べ308日間の実炉操業データを評価したので報告する。