著者
辻田 祐一
出版者
国立研究開発法人理化学研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

MPIにおける入出力インタフェースであるMPI-IOの代表的な実装であるROMIOでは、高速な並列入出力機能を有しているが、ノード内に複数のプロセスを起動する場合において十分な性能を発揮できない問題があった。そこで本研究では、ファイル入出力を行うプロセスの配置や、ファイル入出力操作に合わせて行うデータ通信の順番に関して、ノード間・ノード内のプロセス配置に配慮した最適化手法をROMIOに適用し、ユーザが設定したプロセス配置に関係無く、高い入出力性能が発揮できる実装を実現した。
著者
佐藤 未来子 辻田 祐一 堀 敦史 並木 美太郎
雑誌
研究報告 システムソフトウェアと オペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.6, pp.1-6, 2011-07-20

ハイパフォーマンスコンピューティング (HPC) の分野では,ペタフロップス級のスーパーコンピュータ開発が現実のものとなり,エクサフロップス,ゼッタフロップスという単位のシステム開発が次の技術課題となっている.本研究では,エクサコンピュータの実現に向けて,今後 HPC の主流となるメニーコアアーキテクチャを有効活用するための基盤ソフトウェアの研究開発を行っている.従来のマルチコアアーキテクチャを汎用コアとして活用しつつ,演算性能や並列性を強化しているメニーコアアーキテクチャを混在させたシステムアーキテクチャを想定し,アプリケーションプログラムからはメニーコアとマルチコアの特性を活かした単一システムとして見せられるメニーコア OS カーネルの実現を目指す.本論文では,メニーコア OS カーネルの検討課題を述べ,プロセス管理,メモリ管理,I/O 管理についての基本設計を述べる.In the field of high performance computing (HPC), the super computer development of the PetaFLOPS class becomes the one of the reality. The development of the ExaFLOPS system is the following technological opportunity. In this study, the infrastructure software to use Many-core architecture that will become the main current of HPC in the future effectively is researched and developed aiming at the achievement of ExaFLOPS system. We are assuming the system architecture to use past Multi-core architecture together with Many-core Architecture. We aim at OS Architecture that can use Many-core and Multi-core from the application program as a single system. In this paper, we show the overview of the OS and discuss on problems of the OS for Many-core architecture system. Moreover we describe the management of processes, threads, memory and also inter-OS communication handling.
著者
下沢 拓 石川 裕 堀 敦史 並木 美太郎 辻田 祐一
雑誌
研究報告 システムソフトウェアと オペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.1-7, 2011-07-20

本稿では,メニーコア混在型システム向けのオペレーティングシステムのためのハードウェア抽象化層 AAL を設計する.AAL は,抽象化による移植可能性の向上を目的とし,抽象化層の摸擬環境を作成することによりメニーコア混在型システム向けのオペレーティングシステムの開発を可能にする.さらに,マルチコアシステムでメニーコア混在型システムを摸擬した環境での AAL の実装についても述べる.AAL, an abstraction layer of operating systems for manycore accelerators is designed in this report. AAL is aimed to provide portability of operating systems for manycore accelerators. AAL enables development of the operating systems without any manycore accelerators by implementing emulation of the layer. An implementation of AAL for a manycore emulation environment on a multicore CPU is also presented.