著者
石川 裕 奥村 俊彦 藤川 智 宮腰 淳一 藤原 広行 森川 信之 能島 暢呂
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.4_68-4_87, 2011 (Released:2012-01-31)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

本論文では、時間軸の起点を1890 年から30 年ごとに変化させた確率論的地震動予測地図を作成し、同じ期間に実際に発生した地震によるハザードマップと対照させることで確率論的地震動予測地図の確からしさの検証を試みた。その結果、全国の地震ハザードの総量として確率論的地震動予測地図はおおむね実績と調和的であると評価された。また、最大影響カテゴリーがIとIIの地域では、事前の超過確率が高い地点ほど震度6 弱以上を経験した割合が多く、確率論手法の有用性を支持する結果を得た。一方、最大影響カテゴリーがIIIの地域はそもそも事前の超過確率が低い地点が多く、震度6 弱以上を受ける具体的な地域を事前の超過確率の高低から予測することは難しいことが明らかとなった。これらより、地域の地震環境に応じてリスクマネジメントの考え方を使い分ける必要性を指摘した。
著者
大島 早由里 内藤 彰 中島 晃 細谷 律子 石川 裕惟
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.41, pp.249-250, 1990-09-04

近年、操作マニュアルや広告など、従来では考えられなかったものまでマンガを使って表現されるようになった。また、文書作成においても、年賀状の挿絵などの複雑な図形を作成するニーズが高まっている。しかし、現状の図形作成ソフトウエアは、マンガのような複雑な図形の作成には適していない。本稿では、パーソナルワープロ向けに開発した、マンガ作成ソフトウエア、マンガプロセッサを提案する。
著者
今枝 恒治 河合 敦夫 石川 裕司 永田 亮 桝井 文人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.13, pp.39-46, 2003-02-07
被引用文献数
2 6

本論文では,実際に日本語学習者の書いた作文を題材として,比較的書き誤る可能性の高い格助詞に対して,誤りの検出と訂正を行うシステムを構築した.この手法として,まずルールに基づいた処理をおこない,そこで検出・訂正できなかった誤りに対して,格フレーム照合をおこなう.格フレーム照合では,入力文の格フレームと辞書から得られる格フレームを比較することにより,誤りの検出および訂正をする.実験の結果として,75.6%の誤り検出率と,62.5%の誤り訂正率を得ることができ,本手法が,日本語学習者の書いた作文中の格助詞の誤り検出・訂正に有効であることを示すことができた.In this paper, we propose a method of detecting and correcting errors in usage of case particles in composition written by Japanese learners. The method has two major steps.In the first step, rules based on analysis of the composition detect and correct the errors. In the second step, a case frame dictionary is used to detect and correct the errors that the rules failed to detect. Those errors are corrected comparing the case frame of an input sentence with the case frames in the dictionary. As a result of experiments, 75.6% of rate of error detection and 62.5% of rate of error correction were obtained. The result shows that the method is effective to detect and correct errors of case particles in composition written by Japanese learners.
著者
北村 裕太 松葉 浩也 石川 裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.80, pp.121-126, 2007-08-02
被引用文献数
4

64 ビットアーキテクチャ PC において、一台の PC が持つ物理メモリ容量以上の仮想メモリ空間を利用できるようにするための遠隔スワップメモリシステムを Linux カーネル上に設計する。予備実験として、ネットワークブロックデバイスを用いた Linux のスワップ機構を評価し問題点を示す。次に、Linux のスワップ機構とは異なる新しい遠隔スワップメモリシステムを設計する。本システムでは、ネットワークブロックデバイスが効率良くデータ転送を送れるように、連続物理ベージ単位で領域を管理する。ユーザが定義できるページ入れ換えアルゴリズム機構を提供することにより、アプリケーションのメモリアクセスパターンによる投機的ページ入れ換えを可能とする。A new remote swap system in the Linux kernel, running on a 64 bit PC, is designed in order to provide virtual address memory whose size is larger than the physical main memory. As an experiment, the Linux swap mechanism is evaluated using a network block device. We, then, propose a new remote memory swapping system which differs the original Linux swap system. In the system proposed, the contiguous physical pages of a user process are managed so that the network device may send and receive physical pages efficiently. A new system call, defining page replace algorithm, has been introduced to realize speculative page replacement based on the application memory access pattern.
著者
塩見 将志 笠井 新一郎 岩本 さき 苅田 知則 長嶋 比奈美 稲田 勤 間野 幸代 石川 裕治 山田 弘幸
出版者
学校法人高知学園 高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.49-54, 2001-03-31 (Released:2018-08-29)
参考文献数
9

今回,私たちは,2歳児相談において,言語発達を正確に評価し,言語発達障害を有する子どもや「気になる子」を早期発見・早期療育するための語彙チェックリストの作成を目的に保育所に通う2歳前後の幼児を対象とした表出語彙に関する事前調査を実施した.なお,本稿では,その中でも特に動詞に焦点を当てて検討を加えた.調査で用いたチェックリストの項目は,大久保(1984)が作成した2歳児の語彙リストと三省堂「こどもことば絵じてん」を参考に作成した.本稿で取り扱う動詞は452の全語彙中,123語であった.本調査における動詞の特徴として,2歳0ヶ月時で通過する語は123語中,12%であり,2歳6ヶ月時で通過する語は60%となった.このことからも,動詞は2歳0ヶ月から2歳6ヶ月の間に飛躍的に獲得される可能性が示唆された.
著者
岩本 さき 笠井 新一郎 苅田 知則 長嶋 比奈美 稲田 勤 塩見 将志 間野 幸代 石川 裕治 山田 弘幸
出版者
学校法人高知学園 高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.23-32, 2001-03-31 (Released:2018-08-29)
参考文献数
8
被引用文献数
2

平成11年度より,香川県坂出市では,1歳6ヶ月児健診で未通過だった子どもの発達状況のフォローを一つの目的として,保健婦と言語聴覚士による2歳児を対象とした発達相談(以下,2歳児相談)を行っている.しかし,実施に際して,評価時間の短さや,子どもの語彙発達を評価する指標がない点が問題として挙げられた.そこで,2歳児相談時にスクリーニングとして使用できる語彙チェックリストを作成することを目的とし,2歳児の語彙発達の現状を明らかにするための調査研究を行った.調査の対象者は,香川県坂出市内の全保育所(12施設)に所属する1歳11ヶ月から2歳11ヶ月の子どもの保護者であり,161名であった.調査においては,名詞・代名詞・抽象語・動詞・形容詞・形容動詞・副詞・感動詞を含む,全語彙数452個のチェックリストを,調査用紙として用いた.分析を加えた結果,2歳児相談でスクリーニングの指標となる平均語彙数は,2歳0ヶ月児で183.9語,2歳6ヶ月児で288.7語であった.また,2歳9ヶ月〜2歳11ヶ月にかけて350語を超えており,グラフはほぼ横這い状態を示した.これらの結果から,今回用いたチェックリストの適用範囲は2歳9ヶ月以前と考察された.
著者
石川 裕一 宮城 匡彦 松本 知子 渡邊 奈津子 東條 靖 廣井 直樹 久保木 幸司 芳野 原 坪田 貴也 吉原 克則
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.97, no.10, pp.2552-2554, 2008-10-10
参考文献数
4
被引用文献数
1

34歳,女性,7月に起立困難で入院.心エコーにて著明な右心不全を認め,急激に呼吸状態の増悪を来たした.スワンガンツカテーテルにて全身血管抵抗低下を伴った高心拍出性心不全の所見を呈し衝心脚気と診断.フルスルチアミン投与したところ24時間以内に循環動態の改善が認められた.衝心脚気の原因として本人が2月から始めた健康食品ダイエットが原因と考えられた.現在では稀な疾患ではあるが,短期間で重症化し致命的な経過を辿る事がある為,注意が必要であると考える.<br>
著者
島田 明男 バリ ゲローフィ 堀 敦史 石川 裕
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2012-HPC-135, no.3, pp.1-8, 2012-07-25

エクサスケールのスーパーコンピュータ実現に向けてメニーコアアーキテクチャが注目されている.メニーコア環境では,ノード内の計算処理の並列化が重要となる.本研究では,マルチプロセス型並列アプリケーションにおいて,低コストなプロセス間通信を実現するためのプロセスモデルとして,Partitioned Virtual Address Space (PVAS) を提案する.PVAS を用いることで,プロセス間通信で発生するコストを低減し,従来よりも効率的なノード内並列化を実現することができる.PVAS のプロセス間通信を利用する MPI 通信を実装し,評価したところ,通信のレイテンシとスループットを大幅に改善可能であることが分かり,本提案の有効性を確認することができた.
著者
堀 敦史 手塚 宏史 高橋 俊行 住元 真司 曽田哲之 原田 浩 石川 裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.66, pp.83-88, 1999-08-02
被引用文献数
3

SCoreクラスタシステムソフトウェアは,Myrinetを用いたクラスタを対象とした高性能かつスケーラブルな並列プログラミング環境のソフトウェアパッケージである.本稿は,Myrinet以外のネットワーク,SMPクラスタ,及びクラスタ化されたクラスタという3つの新たな形態のクラスタにSCoreを対応させる方法について提案するものである."Composite"と呼ばれる仮想ネットワークデバイスを設け,compositeネットワークデバイスが複数の実ネットワークデバイスとルーティングテーブルを持つことで,これらの形態のクラスタに対応可能であることを示す.ここで提案された方法は,見方を変えれば,ヘテロなネットワーク構成のクラスタへの対応と考えることができる.提案された方法は,現在SCore 3.0として開発が進められている.A high performance scalable cluster system software package, SCore, was designed for clusters using Myrinet. To adapt it to a cluster using other networks, an SMP cluster, and a cluster of clusters, the notion of "composite" is proposed in this paper. The "composite" is a virtual network device which consists of a routing table and several physical network devices. From the viewpoint of seamless computing, the "composite" is to handle heterogeneity. New SCore 3.0 is under development for implementing the "composite".
著者
堀 敦史 手塚 宏史 石川 裕 曽田 哲之 原田 浩 古田 敦 山田 務 岡 靖裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.79, pp.121-126, 1996-08-26
被引用文献数
3

我々は並列マシンにおける時分割空間分割スケジューリング方式を提案し、ワークステーションクラスタ用のスケジューリングシステムSCore?DをUNIXのデーモンプロセスとして開発した.現在,対話的な並列プログラミング環境実現方式の研究の最初のステップとして,オンライン並列デバッガSCDBの設計開発を行ってきている.一般に,デバッガプロセスはシステムコールによってデバッグ対象のプロセスの実行制御を行う.このような環境では、SCore?Dはユーザプロセスの状態を制御できず,スケジューリングシステムが正常に動作しない.そこで,SCore?Dがユーザプロセスに対してOS機能をサービス可能とするための機構を,プロセス間共有メモリおよびUNIXのシグナルを用いて設計開発した.We have been proposing Time-Space-Sharing Scheduline (TSSS) and developed a scheduling system, named SCore-D, as demon processes on UNIX. As a first step towards the research and development of an interactive parallel programming environment, we are designing a parallel online debugger, named SCDB. Generally debugger process has a control of debugee process. In the case of SCore-D, however, SCore-D can not control debugger and debugee processes, and the sceduling of SCore-D and the control of debugger can conflict. To avoid this situation, we design and develop a mechanism for SCore-D to support OS functions using inter-process shared memory and UNIX signals.
著者
松村 暢隆 小倉 正義 竹澤 大史 緩利 誠 石川 裕之 石隈 利紀
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

発達障害や学習困難のある児童生徒について、広義の2E教育の観点から、得意や興味等の「認知的個性」を捉えて、それを活かして苦手を補う特別支援の方策を探った。認知的個性の自己チェックリストを開発して、それが通常学級の学習で有用なこと、また発達障害や学習困難な生徒の学習・生活支援に活用できることを示した。併せて、2E教育の多様な形態や可能なカリキュラムの変革について調査、考察した。
著者
山口 訓央 高木 将通 堀 敦史 石川 裕
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:21888841)
巻号頁・発行日
vol.2015-HPC-152, no.8, pp.1-10, 2015-12-09

InfiniBand を用いたハイパフォーマンスコンピューティング向けの通信ライブラリにおいて,通信性能低下を最小限に抑えながら,100 万ノードでの並列実行を可能にするメモリ消費削減手法を考察する.対象とする通信ライブラリは,MPI ライブラリとその下位に位置する低レベル通信ライブラリである.また,NUMA ノード内を OpenMP で並列化し,NUMA ノード間を MPI で並列化することを想定する.これらの通信ライブラリでは,並列実行ノード数と NUMA ノード数が増加した際のノードあたりメモリ消費量の増加が課題となる.この課題を解決するため,通信コンテキストの総数を制限する手法,また複数の通信相手で一つの資源を共有する手法,また複数の MPI プロセスでオブジェクトを共有する手法を考察する.本手法は,1 ノードあたり 4MPI プロセスとした場合,100 万ノードを用いた並列実行において,1 ノードあたりメモリ消費量を 1.00GB に抑えることができる.
著者
石川 裕一 浅野 裕俊 坂本 直樹 井出 英人
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.46, no.9, pp.586-588, 2010 (Released:2011-11-03)
参考文献数
4

In this paper, we proposed the evaluation method of the sleepiness by oxygenated hemoglobin. The sleepiness by diver's operation can be considered as the factor of accidents. Therefore, we needed to have evaluated the sleepiness while driving. Then, we gave the driving task to the subjects and researched the relation of oxygenated hemoglobin. As the result of the experiment, compared with facial expression, oxygenated hemoglobin tends to be decreased gradually. Possibility of driver's sleepiness evaluation could be shown.
著者
矢箆原 隆造 伊藤 慎英 平野 哲 才藤 栄一 田辺 茂雄 林 美帆 加藤 翼 海藤 大将 石川 裕果 澤田 雄矢 宮田 恵里 山田 唯 藤範 洋一
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2014, 2015

【目的】我々は,立ち乗り型パーソナル移動支援ロボットとテレビゲームを組み合わせたバランス練習アシストロボット(Balance Exercise Assistant robot:以下,BEAR)を考案した。BEARで使用しているロボットは,搭乗者が前後に重心を移動するとその移動に合わせてロボットが前後移動し,左右に重心を移動するとロボットが旋回する装置である。従来のバランス練習には,適切な難易度が存在しない,動きが少ないためフィードバックが得にくい,退屈な練習内容,またバランス戦略への転移性が乏しいという問題点があった。一方でBEARを用いたバランス練習では,ロボット制御による練習者に適した難易度設定,実際の移動という形での重心移動のフィードバック,ゲーム感覚で飽きずに楽しく継続できる練習内容,ankle/hip strategyのバランス戦略に対して高い転移性を持つ類似課題,と改善が図られている。本研究では,中枢神経疾患患者に対しBEARを用いたバランス練習を行い,そのバランス能力の改善効果について検討を行った。【方法】対象は,当大学病院リハビリテーション科の通院歴があり,屋内歩行が監視以上の中枢神経疾患患者9名(脳出血3名,脳梗塞2名,脳腫瘍1名,頭部外傷1名,脊髄損傷2名)とした。対象の詳細は,年齢60±18歳,男性7名,女性2名,発症後35±27ヶ月,Berg Balance Scaleは47±8点であった。BEARのゲーム内容は,ターゲットに合わせて前後方向に能動的な重心移動を行う「テニスゲーム」,ターゲットに合わせて左右方向に能動的な重心移動を行う「スキーゲーム」,組み込まれた多様な外乱に抗してゲーム開始位置を保つ「ロデオゲーム」の3種類を実施した。1回の練習は各ゲームを4施行ずつ,予備練習を含めた合計20分間で構成されており,週2回の頻度で6週間あるいは8週間実施した。練習期間の前後には,バランス能力の改善指標としてTimed Up and Go Test(以下,TUG)および安静立位時の重心動揺を計測した。重心動揺計測はアニマ社製のツイングラビコーダ(G-6100)を用い,30秒間の安静立位から矩形面積を算出した。加えて,下肢の筋力も併せて計測を行った。測定筋は腸腰筋,中殿筋,大腿四頭筋,ハムストリングス,前脛骨筋,下腿三頭筋の6筋とし,アニマ社製ハンドヘルドダイナモメータを用いて等尺性で計測を行い,その最大値を採用した。統計解析にはWilcoxonの符号付順位検定を用い,各評価について練習期間前後の比較を行った。【結果】TUGは,練習期間前後の平均値が21.5秒から17.4秒と有意な改善を認めた(p<.05)。安静立位時の重心動揺は,練習期間前後の矩形面積の平均値が3.3cm<sup>2</sup>から2.7cm<sup>2</sup>と有意な改善を認めた(p<.05)。下肢の筋力においては,練習期間前後の中殿筋の平均値が20.8kgから24.2kgと有意な改善を認め(p<.01),下腿三頭筋の平均値が44.0kgから47.7kgと有意な改善を認めた(p<.05)。一方で,その他の4筋については変化量が小さく有意差は認められなかった。【考察】本研究ではBEARを用いたバランス練習の効果を検討した。BEARの練習において前後方向の重心移動を行うテニス・ロデオゲームでは下腿三頭筋が,左右方向の重心移動を行うスキー・ロデオゲームでは中殿筋がそれぞれ求心性・遠心性収縮を繰り返し行う必要がある。このことが筋力増強に必要な条件を満たし,効果を発揮したと考えられた。このようにBEARの練習が3つのゲームにより構成されていることが,前後・左右方向どちらの制御の改善にも効果を示すため,安静立位時の重心動揺の改善にも効果的であったと考えられた。またTUGは総合的なバランス能力を表す指標であるため,この改善には筋力や姿勢制御の改善が反映されていると考えられた。TUGは転倒リスクに関連するとされていることから,BEARの練習には転倒予防の効果もあるのではないかと期待される。今後は,中枢神経疾患のうち特に効果を認めやすい対象を明確にしていくとともに,従来バランス練習群との比較を行う必要があると考えられる。【理学療法学研究としての意義】バランス能力低下を認め,日常生活活動能力が低下している中枢神経疾患患者は非常に多い。したがって,効果の高いバランス練習を考案し,転倒による二次的な障害を予防していくことは理学療法研究として大変意義のあるものである。
著者
間野 幸代 笠井 新一郎 岩本 さき 苅田 知則 長嶋 比奈美 稲田 勤 塩見 将志 石川 裕治 山田 弘幸
出版者
学校法人高知学園 高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.55-60, 2001-03-31 (Released:2018-08-29)
参考文献数
12

香川県坂出市で行われている「2歳児相談」において,言語発達障害を有する子ども等の早期発見・早期療育を行う手がかりの1つとして,語彙チェックリストを作成する目的で,2歳児を対象に表出語彙に関するアンケート調査を実施した.本研究では文法カテゴリー別に分類し,修飾語である形容詞,形容動詞,副詞に関して整理および考察を試みた.2歳0ヶ月児と2歳6ヶ月児の表出語彙数を比較した結果,語彙数は急速に増加していた.修飾語の内容に関して,Nelson(1973)の文法カテゴリーの分類をもとに整理した場合,形容詞における属性および状態に関する語彙に関しても2歳6ヶ月児で増加傾向を呈していた.さらに性質を示しかつ,対の意味を示す形容詞において,2歳6ヶ月児では対義語(大きい-小さいなど)をともに獲得しているのに比し,2歳0ヶ月児では,一方の語しか獲得されていないことが確認された.したがって,形容詞・形容動詞・副詞等の修飾語の語彙チェックリストを作成する場合,(1)修飾語の種類や数を増やすこと,(2)形容詞に関しては,対義語の吟味が必要であることが示唆された.
著者
長嶋 比奈美 笠井 新一郎 岩本 さき 苅田 知則 稲田 勤 塩見 将志 間野 幸代 石川 裕治 山田 弘幸
出版者
学校法人高知学園 高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.41-48, 2001-03-31 (Released:2018-08-29)
参考文献数
10

著者らは,1歳6ヶ月児健診で気にかかった子どもの経過観察として,香川県坂出市において2歳児を対象として発達相談(以下,2歳児相談)を試験的に行っている.言語発達障害を有する子どもの早期発見・早期療育を行う手がかりとして,2歳児相談時にスクリーニングとして使用できる語彙チェックリストを作成することを目的とし,2歳児の語彙発達の現状を明らかにするための調査研究を行った.調査の対象者は,香川県坂出市内の全保育所(12施設)に所属する1歳11ヶ月から2歳11ヶ月の子どもの保護者であり,161名であった.調査においては,名詞・代名詞・抽象語・動詞・形容詞・形容動詞・副詞・感動詞を含む,全語彙数452個のチェックリストを,調査用紙として用いた.本稿では,抽象語・代名詞に焦点を当て,調査項目の検討を行った.その結果,2歳0ヶ月〜2歳6ヶ月の段階で通過しやすい「抽象語」としては,簡単な「数・色・空間・時間概念」,「視覚理解可能な概念」や「体感的な抽象概念」,代名詞としては,「自分や保護者の領域の物を表す『コ』に関する指示詞」,「第三者の領域の物を表す『ア』に関する指示詞」が見いだされた.また,2歳10〜11ヶ月児でも60%未満しか通過しない語としては「不可視事象や心的状態に関する抽象語,2歳児には理解困難な抽象度の高い位置・方角概念」,自分と保護者が分離されているという認識が獲得された上で,自分と保護者の間にある物を示す中間的な「指示詞『ソ』に関する語」,「自己を含む人物の集合体」などが挙げられた.
著者
苅田 知則 笠井 新一郎 岩本 さき 長嶋 比奈美 稲田 勤 塩見 将志 間野 幸代 石川 裕治 山田弘幸
出版者
学校法人高知学園 高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.33-39, 2001-03-31 (Released:2018-08-29)
参考文献数
10
被引用文献数
3

著者らは,1歳6ヶ月児健診で気にかかった子どもを改めて経過観察として,香川県坂出市において,2歳児を対象として発達相談(以下,2歳児相談)を試験的に行っている.2歳児を対象とした相談事業や経過観察を行うことによって,何らかの言語発達障害を有する子どもや「気になる子」を早期発見・早期治療することが可能となるが,評価時間の短さや,子どもの語彙発達を評価する指標がない点が問題として挙げられた.そこで,①2歳児の語彙発達の現状を明らかにし,②2歳児相談時にスクリーニングとして使用できる語彙チェックリストを作成する,ことを目的とし,調査研究を行った.調査の対象者は,香川県坂出市内の全保育所(12施設)に所属する1歳11ヶ月から2歳11ヶ月の子どもの保護者であり,161名であった.調査においては,名詞・代名詞・抽象語・動詞・形容詞・形容動詞・副詞・感動詞を含む,全語彙数452個のチェックリストを,調査用紙として用いた.本稿では,名詞に焦点を当て,Nelson(1973)の文法カテゴリーを用いて分析を加えた.その結果,以下の三点が示唆されるとともに,これらの点は,特に2歳児相談において注意すべきポイントとして考察された.(1)2歳0ヶ月児の60%が表出していると回答があった項目は86語であり,2歳6ヶ月児の場合は137語であった.(2)2歳児相談としてチェックすべき名詞の数は90±10語程度である.(3)「事物」と「抽象」に分類される語が2歳0ヶ月から2歳6ヶ月の間で大きく変化する.
著者
狩野 泰則 佐々木 猛智 石川 裕
出版者
日本貝類学会
雑誌
Venus : journal of the Malacological Society of Japan (ISSN:13482955)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.129-140, 2001-09-30
被引用文献数
1

鹿児島県上甑島の汽水湖(貝池 : 模式産地)ならびに高知・愛媛県の3河川(赤野川・仁淀川・蓮乗寺川)河口域の礫下から得られたコハクカノコ科の新種Neritilia mimotoiツバサコハクカノコ(新称)を記載する。貝殻は白色半透明, 殻径2 mm内外で, 殻形は変異に富み, 内唇滑層後端には時にツバサカノコ(アマオブネ科)同様の翼状突起を備える。本種はジャマイカ産のNeritilia pusillaに近似するが, サイズがより大きく, また殻口がより広がる点で区別される。同属のその他の既知種はすべて有色(赤褐色&acd;黄褐色)の殻をもち, 本種と容易に区別される。
著者
石川 裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.81, pp.115-120, 2004-07-30
参考文献数
12
被引用文献数
5

並列研究基盤ソフトウェアを実現するとともに、アプリケーションユーザにも使用できる完成度の高いMPI通信実装を提供することを目標に、YAMPII(Yet Another Implementation)と呼ばれるMPI通信ライブラリが開発されている。様々な並列計算機環境に容易にポーティング出来るように、プロセス生成機構、通信機構をモジュール化している。現在、YAMPIIは、低レベル通信機構として、TCP/IPならぴにSCoreクラスタシステムソフトウェア上のPMv2通信機構が使用できる。NAS並列ベンチマークによる予備評価では、YAMPIIは既存MPIと同等あるいはそれ以上の性能を達成している.YAMPII, Yet Another MPI Implementation, has been designed and implemented in order to be a research vehicle as well as providing the application users a stable high performance MPI implementation. YAMPII consists of several portable modules including process creation and point to point communication so that it is easily ported to any parallel computing environment. The current YAMPII supports the TCP/IP communication layer and the PMv2 communication layer of the SCore cluster system software. The preliminary evaluation result using the NAS parallel benchmarks shows that YAMPII achieves comparable or better performance than existing MPI implementations.