著者
近江 玲 坂元 章
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.426-434, 2008

本研究では,テレビ視聴量とパーソナリティの知的側面との間に見られる相関関係が,視聴番組の内容によってどのように異なるか検討するために,調査研究を対象としたメタ分析を行った。11の研究を対象とし,各研究から抽出した相関係数を,相関係数と偏相関係数に分類した。そしてそれぞれについて,番組ジャンルごとに効果サイズを統合した。その結果,ニュース・ドキュメンタリー,教育番組の各視聴量と知的側面との間には有意な正の相関が確認された一方で,アニメ,ドラマ,スポーツ,暴力的番組の各視聴量と知的側面との間には負の相関が検出された。したがって,テレビ視聴量と知的側面との関連を議論する際には,視聴する番組の内容に注意すべきであることが,改めて示唆された。
著者
近江 玲 坂元 章
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.426-434, 2008-04-01 (Released:2008-07-15)
参考文献数
27
被引用文献数
1

本研究では,テレビ視聴量とパーソナリティの知的側面との間に見られる相関関係が,視聴番組の内容によってどのように異なるか検討するために,調査研究を対象としたメタ分析を行った。11の研究を対象とし,各研究から抽出した相関係数を,相関係数と偏相関係数に分類した。そしてそれぞれについて,番組ジャンルごとに効果サイズを統合した。その結果,ニュース・ドキュメンタリー,教育番組の各視聴量と知的側面との間には有意な正の相関が確認された一方で,アニメ,ドラマ,スポーツ,暴力的番組の各視聴量と知的側面との間には負の相関が検出された。したがって,テレビ視聴量と知的側面との関連を議論する際には,視聴する番組の内容に注意すべきであることが,改めて示唆された。
著者
田島 祥 近江 玲 坂元 章 一色 伸夫 服部 弘
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.13-16, 2006
参考文献数
5

本研究の目的は,教育番組を分類する際にまず利用されるべき基本的次元を提示することであった.2004年1月の1週間に放送された番組のうち,民放連の取り組みに基づいて首都圏5局が「青少年に見てもらいたい番組」に指定した番組と,NHKが放送する教育番組計96番組を対象とし,各番組のもつイメージを,1番組あたり3名のコーダーに近江ら(2004)の尺度を用いて評定させた.評定データの因子分析の結果,「親近性」「力動性」「創造性」「具体性」の4つの次元が抽出された.これらの次元と番組放送時間との関係を検討したところ,午後に放送されている教育番組は,午前や夜の番組とは異なる性質をもっていることが明らかになった.