著者
速水 達也 金子 文成 木塚 朝博
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム (ISSN:13487116)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.47-56, 2008 (Released:2017-02-15)
参考文献数
16
被引用文献数
2 1

本研究では, 体性感覚入力に基づく運動出力調節機能を体性感覚─運動連関機能と定義し, 運動経験による体性感覚─運動連関機能の違いを明らかにすることを目的とした. 対象者を運動経験の差によって運動群と一般群とに分類した. 体性感覚─運動連関機能の測定には, 運動平衡保持法と再現法を用いた. その結果, 運動群は一般群に比して運動平衡保持法の測定結果において有意に優れていた. また, 運動平衡保持法の測定結果には, 関節角度の正確な知覚と, 安定性の高い力発揮が関係していることが認められた. これらのことから, 運動の継続や長期の身体トレーニングを行っている者は体性感覚─運動連関機能に優れ, その背景には体性感覚機能と運動出力機能の向上が関係していることが考えられた.
著者
金子 文成 速水 達也
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.186-190, 2011 (Released:2016-04-15)
参考文献数
21

運動感覚は,位置覚,運動覚,力覚等の統合的な感覚であり,運動感覚の形成には,主として筋紡錘からの求心性入力 が関与することが明らかにされている.筋紡錘からの求心性入力は,筋長の変化速度や筋長そのものの状態に応じて変化する.そのため,運動感覚は,筋収縮の状況に影響を受ける.本稿では,これまでの報告に基づき,筋収縮が運動感覚に対してどのような影響を及ぼすかについて解説する.