著者
伊田 瞳 須賀 達夫 逸見 和範 原 史郎 青木 康弘
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.207-210, 2022-04-28 (Released:2022-04-28)
参考文献数
14

【背景と目的】吸入療法は薬剤師による指導を始めとした吸入指導介入が重要である.指導介入は複数回に渡り同様の内容で行われることが望ましいが,薬剤師による指導介入の回数と内容を検討した報告はこれまでにないため,本研究ではこれを報告する.【対象と方法】埼玉県北部を中心とした薬剤師会を通し保険調剤薬局薬剤師にアンケートを送付した.【結果】75名から有効な回答が得られ,内21名は1患者当たりの吸入指導回数を1回以下,54名は2回以上と回答した.両群を比較すると2回以上と回答した群は有意に吸入デバイスの扱いに自信を有していた.また2回の吸入指導内容を比較すると,2回目指導時は1回目指導時に比べ有意に指導時間が短く,指導項目数が少なく,デバイスや説明書を用いた説明を行わず,指導者や患者による実演を行っていなかった.【結語】本研究結果を機に,同地域では定期的な勉強会やより密な医薬連携を図るべく研究会が設立された.