著者
大村 一之 須賀 達夫 長田 知美 今 瑞季 鈴木 結香理 吉野 宗明 中村 美樹 根松 香織 原 史郎 青木 康弘
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.417-423, 2020-04-15 (Released:2020-04-15)
参考文献数
19
被引用文献数
1

【背景と目的】閉塞性睡眠時無呼吸症のCPAP治療において,当院の検査技師は導入1週間後に電話連絡を行うなどしてアドヒアランス向上に努めてきた.CPAP継続群と脱落群の電話介入時に得られた訴えと,脱落群の脱落理由を比較検討したので報告する.【方法】対象はCPAP加療中の232例.導入1週間後の訴えを調査し,1年継続群と脱落群の中止理由,性別,年齢,BMI,ESS,AHI,各種睡眠変数,SpO2,3%ODI,周期性四肢運動障害指数(PLMI),体位およびREM依存性の有無,CPAP圧等を比較した.【結果】治療早期に多い訴えはマスクと鼻口症状で,治療中止は半年までに多く,脱落群の中止理由は入眠障害や鼻症状,違和感が多かった.また脱落群では有意にBMIとAHI,3%ODIが低く,平均SpO2,PLMIが高かった.【考察】治療後半年間は,入眠障害や鼻症状,違和感などに注意し,導入早期の訴えが中止理由に繋がる可能性も考慮して,電話などで早期に問題を抱える患者に介入していく必要がある.
著者
伊田 瞳 須賀 達夫 逸見 和範 原 史郎 青木 康弘
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.207-210, 2022-04-28 (Released:2022-04-28)
参考文献数
14

【背景と目的】吸入療法は薬剤師による指導を始めとした吸入指導介入が重要である.指導介入は複数回に渡り同様の内容で行われることが望ましいが,薬剤師による指導介入の回数と内容を検討した報告はこれまでにないため,本研究ではこれを報告する.【対象と方法】埼玉県北部を中心とした薬剤師会を通し保険調剤薬局薬剤師にアンケートを送付した.【結果】75名から有効な回答が得られ,内21名は1患者当たりの吸入指導回数を1回以下,54名は2回以上と回答した.両群を比較すると2回以上と回答した群は有意に吸入デバイスの扱いに自信を有していた.また2回の吸入指導内容を比較すると,2回目指導時は1回目指導時に比べ有意に指導時間が短く,指導項目数が少なく,デバイスや説明書を用いた説明を行わず,指導者や患者による実演を行っていなかった.【結語】本研究結果を機に,同地域では定期的な勉強会やより密な医薬連携を図るべく研究会が設立された.