著者
仲村渠 将 吉永 安俊 酒井 一人 秋吉 康弘 大澤 和敏
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会論文集 (ISSN:03872335)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.249, pp.277-283, 2007-06-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
16

沈砂池における浮遊土砂流出, 沈砂池による浮遊土砂流出防止対策の課題点および沈砂池の浮遊土砂流出防止効果の簡易的評価について検討するため, 実際の沈砂池で降雨時の現地観測を行った. 沈砂池における複数の降雨イベントでの土砂収支計算結果より, 75μm以上の粗粒分はほとんどが捕捉され, 75μm以下の細粒分の一部が沈砂池から流出することが明らかになった. また沈砂池の浮遊土砂捕捉率が貯水の入れ替え率を表す出水時回転率を用いて簡易的に定量評価された.
著者
酒井 一人 仲村渠 将 吉永 安俊 長野 敏英 大澤 和俊 石田 朋康
出版者
土壌物理学会
雑誌
土壌の物理性 = Journal of the Japanese Society of Soil Physics (ISSN:03876012)
巻号頁・発行日
no.122, pp.23-31, 2012-12

本研究では,冬季に沖縄県北部亜熱帯広葉樹林地の沢沿い複数地点でのCO2フラックス,地温測定および土壌水分測定により,CO2フラックスの地点間および観測日による変動実態を把握し,既往研究と比較した。さらに,対象地点の土壌の粒度分布,有機物含有量,根量とCO2フラックスの関係について解析した。また,温度制御した円筒管土壌呼吸実験により対象土壌のCO2フラックスの温度依存性について確認した。その結果,次の(1)~(5)が認められた。(1)CO2フラックスはばらつきがあり,南尾根で最大,谷に向かって小さくなる傾向にあった。同じ観測日での地温の測定地点間差は小さく,各地点の観測時の温度差がCO2フラックスの差に与えた影響は小さいと判断された。(2)既往の研究との比較では,本調査での値はA0層除去の影響により小さかったと判断できた。(3)観測日の温度の違いによるCO2フラックスの違いは明確ではなかった。それに対して,土壌水分の増加によりCO2フラックスが減少するという土壌呼吸特性が見られた。(4)本研究での観測では,粒度組成,有機物量,根量などとCO2フラックスの関連性は明確ではなかった。(5)土層実験により温度依存性を調べた結果,既往研究で示されたQ10値の範囲内の結果を得た。
著者
吉永 安俊 酒井 一人 仲村渠 将 赤嶺 光
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

ウッドチップを充填した浸透トレンチによる赤土流出防止対策を開発した.実験期間中の降雨条件下において圃場外への赤土流出量は70%以上削減され,高い対策効果が認められた.試験地の土壌条件下において浸透トレンチの貯水は速やかに地下浸透するため,浸透トレンチの貯水は作物栽培に影響しないと考えられた.浸透トレンチの維持管理や営農作業を考慮すると,圃場の末端部のみに大容量で設置する方がよいと考えられた.