著者
木村 幹 浅羽 祐樹 金 世徳 田中 悟 酒井 亨
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究が明らかにしたのは、全斗煥政権が当時の状況に対して、如何なる主観的認識を持ち、どう対処しようとしたか、それが結果として、当時の韓国社会におけるどのようなイデオロギー的変化を齎したか、である。その結果は次のように要約する事が出来る。1)同政権は1980年代初頭における政治的弾圧をも駆使した結果得られた、政治的安定を大きく評価し、ゆえに多少の民主化運動の許容は、政権の基盤を揺るがさないものと考えた。2)政権内部にではこのような理解には大きな対立はなかった。3)しかしながら、実際にはこの結果行われた民主化運動は政権側の予想を超えて拡大した。4)この誤算が韓国の民主化実現に大きく貢献した。
著者
越田 久文 酒井 亨 吉田 一誠
出版者
金沢学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

「ニコニコデータセット」のコメント解析から得られるアニメ作品に対する評価と、その作品舞台地を訪問する「聖地巡礼」を核とした観光客入り数との関係を調査した結果、作品評価と観光客入り数の間には明らかな正の相関関係にあるとは言い難い結果となった。ニコニコ動画では独特のネットスラングや、アニメ視聴者同士のみが共有できる意思疎通など、ニコニコ文化圏ともいえる言語空間が存在し、コメントから作品に対する評価・好感度等を推し量ることが困難であった。一方、アニメ作品に依存した観光振興を目論んだ自治体では、アニメファンからの共感を得られず、観光振興自体失敗に陥るケースが見られた。