著者
里村 大樹 水谷 雅裕
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.I_145-I_150, 2014
被引用文献数
1

近年海上輸送・港湾分野において保安対策が強化されているが,一方で,国内主要港湾のコンテナターミナル周辺では国際海上コンテナ輸送車両の渋滞解消策が求められている.<br> 本研究では,現地調査による実態把握を行い,保安対策が強化された場合の待ち時間,待ち台数をシミュレーションにより計算した.横浜港本牧埠頭BCターミナルでは,最大のトラック待ち台数は午前のゲートオープン前の約300台で,待機列はゲートオープン後1時間程度で解消していた.保安対策が強化されてコンテナ搬入の処理時間が5分長くなる場合,現状設備ではオーバーフローするが,ゲート処理方法を変更することでその日のうちに処理できる結果となった.保安対策が強化された場合では,昼にゲートオープンするケースでも,現状設備ではオーバーフローする結果となった.
著者
里村 大樹
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.I_209-I_214, 2015

近年,海上輸送・港湾分野において保安対策が強化されている一方,港湾のコンテナターミナルではゲート処理の時間短縮が課題となっている.そうした中,2014年7月1日から三点確認が義務化された.<br> 本研究では,三点確認義務化によりコンテナターミナルのゲート前の渋滞悪化が懸念されたため,現地調査を行った.また,今後,保安対策が強化された場合におけるゲート処理の円滑性確保策を検討した.現地調査を行ったコンテナターミナルでは,三点確認義務化による渋滞の悪化は確認されなかった.しかし保安対策が強化されてコンテナ搬入の処理時間が仮に5分長くなる場合を想定したシミュレーションの結果,現状設備ではオーバーフローするが,ゲート処理を多段化すること等でオーバーフローを回避でき,ゲートイン処理が効率化できる可能性が確認できた.
著者
神野 健二 河村 明 里村 大樹 坂田 悠
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.18, no.5, pp.539-546, 2005
被引用文献数
1 2

2002年,福岡都市圏が水道水源の約1/3を依存している筑後川流域は観測史上3番目の少雨を記録し,最大55%の取水制限が実施されたが,福岡都市圏では給水制限には至らなかった.これは利水関係者および関連行政機関で頻繁な渇水調整が行なわれたことや,1999年に完成した山口調整池の運用などによる水資源管理が効果を上げたためであると考えられている.本研究では,2002年~2003年にかけての水文特性や貯水量の変動,この渇水に対する関連行政機関へのヒアリングを行った.さらに,福岡導水事業の一環として建設された山口調整池の効果について,調整池がなかった場合を想定したシミュレーションを行い,考察を加えた.その結果,山口調整池の運用の効果が大であったことが示され,山口調整池が建設されていなかったらかなり厳しい渇水になっていたことが推測された.