著者
赤羽 たけみ 福居 健一 美登路 昭 白井 康代 片岡 智栄子 榎本 泰典 野々村 昭孝 大石 元
出版者
一般社団法人 日本消化器がん検診学会
雑誌
日本消化器がん検診学会雑誌 (ISSN:18807666)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.447-453, 2010 (Released:2010-09-15)
参考文献数
18

膵Solid-pseudopapillary neoplasm(SPN)は稀な膵腫瘍として知られている。健診で発見されたSPNを経験したので報告する。症例は30歳女性。健診の腹部超音波検査で膵尾部に径4cm大の境界明瞭で内部が不均一な円形の低エコー腫瘤を指摘された。超音波内視鏡検査(EUS)で嚢胞部分と充実性部分が混在している腫瘤が明瞭に描出された。CT, MRIでも同様の所見であり, 膵solid-pseudopapillary neoplasm(SPN)と診断し脾合併膵体尾部切除術を施行した。切除標本の肉眼所見は被膜を有し充実部分と出血による嚢胞部分が混在する球形の腫瘍で病理組織所見からSPNと診断した。本症例は無症状で健診が発見の契機となった。無症状の若年女性でSPNに特徴的な画像所見を呈したため術前診断が容易であったが, EUSがとくに質的診断に有用であった。
著者
西野 昭夫 高島 三洋 中嶋 和喜 大川 光央 久住 治男 橋本 浩之 宮川 和彦 佐藤 保 野々村 昭孝
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.35, no.12, pp.2139-2143, 1989-12

A 7-year-old boy was admitted to the department of pediatrics in our hospital with the complaint of sexual precocity manifested by a growth spurt, penile enlargement and pubic hair development. He was referred to our department because of the enlarged left testis. The diagnosis of Leydig cell tumor of the left testis was suggested by hormonal laboratory data and testicular ultrasonographic investigation. Left orchiectomy was performed. The histological examination revealed the characteristics of Leydig cell tumor. Twenty-four cases of testicular Leydig cell tumor reported in the Japanese literature until 1988 are clinically analyzed. We discuss the usefulness of ultrasonography in detecting and localizing the tumor.
著者
吉川 隆章 植田 百合人 大村 哲司 小泉 宗久 飯田 仁 宮崎 潔 高倉 義典 千 泰規 野々村 昭孝
雑誌
骨折 (ISSN:02872285)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.1-5, 2005-05-01
参考文献数
10
被引用文献数
1
著者
呉 哲彦 小田 誠 渡邊 剛 村上 眞也 野々村 昭孝 湊 宏
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.31-35, 2004-02-20
被引用文献数
1

背景.喀痰細胞診での肺門部肺癌の発見例はほとんどは扁平上皮癌であり腺癌はまれである.我々の経験した粘膜内を表層伸展する肺門部肺腺癌の1例を報告する.症例.58歳の男性.咳漱を主訴に近医を受診し喀痰細胞診でClass Vと判定された.気管支鏡にて右上葉支B^1,B^2,B^3分岐部に黄白色の粘膜褪色部位が見られ,同部位よりの生検で肺腺癌の診断を得た.胸部CTでは右上葉支から右主気管支にかけて気管支壁の肥厚が見られた.術前診断T1N0M0の肺門部早期肺腺癌の診断にて右肺管状上葉切除およびND2bのリンパ節郭清を施行した.術中病理診断にて右主気管支中枢側断端に癌の浸潤を認めたため,気管分岐部直下まで追加切除し中間気管支幹と端々吻合を行った.病理組織学上,末梢側はB^1,B^2,B^3の亜亜区域支まで,中枢側は気管分岐部直前および中下葉支人口部2軟骨輪前までの範囲にわたり,粘膜に沿った伸展が高度な肺門部肺臓癌と診断された.術後病期はT3N0M0,IIB期であった.吻合部への放射線治療を追加し術後6年で再発の兆候は認めていない.結論.粘膜内を表層伸展する極めてまれな肺門部腺癌の1例について報告した.