著者
安藤 有里子 大西 賢人 緒方 佑莉 郷田 朋子 諸宇 ヒブン 中西 美紗緒 定月 みゆき 大石 元
出版者
日本産科婦人科内視鏡学会
雑誌
日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 (ISSN:18849938)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.377-382, 2019

<p> Omental pregnancy is a subtype of abdominal pregnancy, which accounts for <1% of all ectopic pregnancies. Definitive diagnosis is challenging due to its rarity and difficulty in localizing its implantation site. Here, we describe the case of a 20-year-old nulliparous woman with omental pregnancy, referred to our hospital due to acute abdominal pain and high serum human chorionic gonadotropin levels. The gestational sac was not detected on a pelvic ultrasound examination. Abdominal contrast enhanced computerized tomography (CT) revealed an intra-abdominal hemorrhage and a 3-cm mass in the omentum. Diagnostic laparoscopy confirmed the omentum as the implantation site, following which complete resection of the lesion was performed. Histopathological analysis confirmed the diagnosis of omental pregnancy. Her postoperative course was uneventful. Our findings suggest that CT and laparoscopy are useful when the implantation site could not be visualized via ultrasonography in ectopic pregnancy. In addition, we discuss the association between emergency contraception and ectopic pregnancies.</p><p></p>
著者
赤羽 たけみ 福居 健一 美登路 昭 白井 康代 片岡 智栄子 榎本 泰典 野々村 昭孝 大石 元
出版者
一般社団法人 日本消化器がん検診学会
雑誌
日本消化器がん検診学会雑誌 (ISSN:18807666)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.447-453, 2010 (Released:2010-09-15)
参考文献数
18

膵Solid-pseudopapillary neoplasm(SPN)は稀な膵腫瘍として知られている。健診で発見されたSPNを経験したので報告する。症例は30歳女性。健診の腹部超音波検査で膵尾部に径4cm大の境界明瞭で内部が不均一な円形の低エコー腫瘤を指摘された。超音波内視鏡検査(EUS)で嚢胞部分と充実性部分が混在している腫瘤が明瞭に描出された。CT, MRIでも同様の所見であり, 膵solid-pseudopapillary neoplasm(SPN)と診断し脾合併膵体尾部切除術を施行した。切除標本の肉眼所見は被膜を有し充実部分と出血による嚢胞部分が混在する球形の腫瘍で病理組織所見からSPNと診断した。本症例は無症状で健診が発見の契機となった。無症状の若年女性でSPNに特徴的な画像所見を呈したため術前診断が容易であったが, EUSがとくに質的診断に有用であった。
著者
大石元
雑誌
日獨医報
巻号頁・発行日
vol.45, pp.534-541, 2000
被引用文献数
5
著者
濱田 薫 長 澄人 藤村 昌史 福岡 和也 堅田 均 澤木 政好 成田 亘啓 渡辺 裕之 今井 照彦 大石 元 東口 隆一 西浦 公章
出版者
日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.249-258, 1991-05-25

気管支鏡を用いた内視鏡的治療法の一つとして, 気管, 気管支の腫瘍性狭窄, 閉塞に対して99.5%エタノール(純エタノール)局注療法を試みた。対象は肺癌7例, 転移性肺癌, 気管癌, 多発性気管乳頭腫各1例の計10例であった。有効症例は10例中6例(60%)であり, 肺癌症例のうち1例は有効, 3例は一時有効で, 他3例は無効であった。転移性肺癌症例は無効であったが, 気管癌, 気管乳頭腫症例では有効であった。有効例での腫瘍の発育は主にポリープ状であり, 無効例では浸潤性狭窄を呈していた。副作用は軽度の咳嗽以外認められなかった。以上から, 気管支鏡下純エタノール局注療法は, 適応をある程度限定すれば, 他療法の制限をともなう悪性腫瘍症例においても姑息的, 対症的治療法としてQOLの改善に有用であると考えた。
著者
福岡 和也 堅田 均 長 澄人 濱田 薫 藤村 昌史 鴻池 義純 澤木 政好 成田 亘啓 今井 照彦 渡辺 裕之 大石 元 飯岡 壮吾 北村 惣一郎
出版者
日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.31-37, 1992-01-25

症例は57歳, 男性。主訴は喘鳴と労作時呼吸困難。右上葉の肺結核合併肺扁平上皮癌cT_1N_1M_0 stage IIの診断で昭和63年10月3日右上葉およびS^6a部分切除術を施行した。平成元年2月下旬より喘鳴と労作時呼吸困難が出現したため5月1日再入院。胸部X線写真では右中葉の含気は低下し, 気管支鏡検査では右中間気管支幹と中葉支は著明に狭窄し底幹入口部には表面平滑な隆起を認めた。気管支造影, 肺動脈造影および換気・血流シンチグラフィ, エロソール吸入シンチグラフィの結果から残存気管支の変形, 狭窄により右肺に広汎で強い換気, 血流障害の生じていることが示されたため, 7月17日右中下葉切除術を施行した。本例では右上葉およびS^6a部分切除により中葉が上後方へと牽引され中葉支が屈曲し著明な狭窄をきたしたとともに, 下葉枝の上方伸展および下方屈曲により底幹入口部付近で気管支軟骨が折り畳まれ隆起を生じたものと考えられた。