- 著者
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野口 佑太
伊藤 卓也
- 出版者
- 医学書院
- 巻号頁・発行日
- pp.69-71, 2019-01-10
はじめに
現在の診療報酬において,退院支援の1つとして退院前訪問指導がある.2018年の診療報酬では退院前訪問指導料は,入院期間が1月を超えると見込まれる患者の円滑な退院のため,患家を訪問し,当該患者またはその家族などに対して,退院後の在宅での療養上の指導を行った場合に,当該入院中1回(入院後早期に退院前訪問指導の必要があると認められる場合は,2回)に限り算定する1)と明記されており,580点の診療報酬が算定可能である.また,最近ではケアマネジャーなどの介護保険サービスにかかわる職員も同行し,意見交換を行う機会も増加している.
退院前訪問指導の際,住環境の状況を記録するための用紙として家屋環境チェックリスト2)や住環境整備のための記録用紙3)などが存在し,活用されている.そのほかに住環境を記録することを目的にデジタルカメラを使用して写真撮影を行うことがあるが,訪問する職員の意向により撮影箇所が限られることや,経験が浅いと撮影に多くの時間を要することが課題として挙げられる.今回,Virtual Reality(VR)の活用として,退院前訪問指導の際に全天球カメラを使用した動画撮影を行い,主体会病院(以下,当院)の職員と動画の共有を行ったため,取り組みと共有結果について報告する.