著者
小幡 賢三 野口 健太郎 田所 嘉昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.709, pp.9-15, 2002-03-07
被引用文献数
1

我々は,コンサートホール等の大規模建築空間における音源位置推定法を検討している.この音源位置推定は,演出効果に用いられる音像定位の操作を自動化するために必要である.本稿では,3つのマイクロホンで音声信号を受信し,ノッチバンドパスフィルタによって音声からホルマントを抽出し,各マイクロホン間のホルマントの位相差を用いて,一受信点測位法により音源位置推定を行うための基礎特性を与える.位相差検出方法として,零交差情報とフーリエ係数から求める2つの手法を検討し,一般的な位相差検出方法である相互相関を用いた手法との比較を行う.計算機シミュレーションにより,音源位置推定性能を明らかにし,実際のシステムを構築し,その評価を行う.
著者
野口 健太郎 田所 嘉昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.333-340, 1999-03-25
被引用文献数
23

筆者らは, あらかじめ推定しようとするおおまかな周波数が既知である信号に対し, サンプリング周波数のみを更新する新しい適応周波数推定法を提案した. 本論文では, 前回提案した手法を拡張し, 並列処理による未知周波数に対する適応周波数推定法を検討する. 推定周波数帯域が決められると, その帯域をカバーするいくつかの初期同期信号が設定される. そして, この各同期信号を前回提案したアルゴリズムにより適応的に変化させて, その帯域に存在する周波数を推定する. シミュレーションにより, 従来の周波数推定法と推定精度及び計算量の点で比較し, 本手法の性能を明らかにした. 最後に, 本手法をDTMF信号の検出に適用した.