著者
野口 勝憲
出版者
日本土壌微生物学会
雑誌
土と微生物 (ISSN:09122184)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.51-67, 1997-03-01 (Released:2017-05-31)
参考文献数
61

微生物資材の現状を把握するために研究の状況を整理した結果,病害防除についての研究が最も多くされており,次に脱臭・堆肥化・有機物分解が多く,特に畜産廃棄物関連の研究が多くなされており,環境問題への関心が高いのがわかる。拮抗菌については,使用菌の種類から使用法などについてまとめた。最近の特許を調査した結果,病害防除が圧倒的に多く,次いで害虫防除,生育促進,養水分吸収促進,有機物分解促進,土壌改良,除草,その他であった。次に微生物資材開発メーカー側の今後の課題として有効菌の選抜と同定, 追跡法の確立,使用菌の定着・活動条件の解明,効果維持・保存性を高めた資材化が必要であり,試験・研究機関・行政の課題として,微生物資材の基準作りとその評価法の確立,法の整備などの必要性を述べた。