著者
山下 弘幸 野口 志郎
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.86, no.7, pp.1180-1183, 1997-07-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
4

甲状腺良性結節は濾胞腺腫と腺腫様甲状腺腫に大別され,一般的に前者は腫瘍が単発で境界明瞭であり,後老は結節が多発性で過形成と退行性変化をきたしたもので,結節内の出血,壊死,石灰化などがみられる.癌が疑われるもの,腫瘤が大きいもの,周囲臓器を圧迫しているもの,機能性結節などが切除の適応となる.当院における手術症例の検討では, 1.腺腫様甲状腺腫に癌が合併する頻度が高く術前診断率が低かった, 2.濾胞腺腫は濾胞癌との鑑別が困難であったが,腫瘍径が大きいほど,血清サイログロブリンが高いほど悪性の割合が高かった.
著者
野口 仁志 内野 眞也 村上 司 山下 裕人 野口 志郎
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.128-134, 2016 (Released:2016-08-02)
参考文献数
5

甲状腺未分化癌は極めて予後不良な疾患であり,確立した治療法は今のところ存在しない。われわれは2006年からドキソルビシン(DXR)とシスプラチン(CDDP)を使用する化学療法にバルプロ酸を併用する方法を試行しており,手術と放射線治療を加えた集学的治療によって予後の改善に努めている。その結果として,手術から2年以上経過しても無再発生存している症例を3例経験したのでここに報告する。