- 著者
-
渡辺 智暁
野口 祐子
- 出版者
- 社団法人情報科学技術協会
- 雑誌
- 情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
- 巻号頁・発行日
- vol.60, no.4, pp.151-155, 2010-04-01
本稿では,オープンアクセスの法的な課題として,著作権の利用許諾(ライセンス)の果たす役割について述べる。学術文献を共有し,情報の活用を促進する上では,著作権は障害になりかねない。これを解消する一つの手段がライセンスである。多様なライセンスが互換性を考慮しないままに開発・利用されると,再利用や複数の著作物の組み合わせによる利用の妨げとなるケースがあるため,ライセンスの標準化や互換性の確保が重要である。興味深いことに,再利用や組み合わせ利用に配慮することが特に重要な科学データベースについては,そもそも著作権を放棄し,パブリック・ドメインに帰属させることが望ましいとする立場も存在している。