著者
野村 哲志 井上 雄一 中島 健二
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.987-990, 2014 (Released:2014-12-18)
参考文献数
10
被引用文献数
1

パーキンソン病(Parkinson’s disease; PD)患者は,睡眠障害を生じることが多い.原因としては運動症状,夜間諸問題や精神症状だけでなく,その他の睡眠障害である日中の眠気(Excessive daytime sleepiness; EDS),レム期睡眠行動異常症(REM sleep behavior disorder; RBD),下肢静止不能症候群(Restless legs syndrome; RLS),睡眠時無呼吸症候群(Sleep apnea syndrome; SAS)などが挙げられる.とくに,RBDはPDの病前症状として注目されている.PDの1/3にRBD症状をみとめる報告があり,運動機能障害,自律神経機能,認知機能の増悪因子であるという報告もある.PDの睡眠障害の原因は多様なので,詳細を充分検討した上で対処する必要がある.しかし,PDでのそれぞれの睡眠障害の対応についてはエビデンスが不足しており,データーの蓄積が必要である.
著者
野村 哲志
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.343-348, 2017-07-25 (Released:2017-08-29)
参考文献数
11

高齢者は加齢と共に身体機能の変化が起こり,種々の病気を合併し,薬剤の使用などの影響も受けやすい状況です.それらの影響で,昼夜逆転を含んだ睡眠障害を起こしやすい状況にあります.特異のものとしてレム睡眠行動障害があり,せん妄と鑑別の上で内服加療の必要があります.せん妄には背景因子があり,認知症患者で見られる周辺症状も含めた対応としては,病態の背景を理解し,生活指導の上少量の薬剤で対応する必要があります.