著者
吉川 大和 野水 基義
出版者
東京薬科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

ラミニンα5 鎖はβ1鎖およびγ1鎖とヘテロ三量体を形成し、ラミニン-511として成体基底膜の主要な構成分子として存在している。ラミニン-511は、正常細胞を秩序よく基底膜へ接着させ組織を安定化させている。一方、癌細胞の基底膜浸潤では足場として利用されるが、そのメカニズムは十分に解明されていない。本研究では、ラミニン-511とその細胞接着に着目し、癌細胞による基底膜形成阻害、癌細胞の基底膜への接着および運動メカニズムにアプローチした。その結果、ラミニン-511の不足は基底膜形成を抑制すること、ラミニン-511への細胞接着を弱めながら細胞運動を促進する細胞内シグナルが明らかになった。
著者
野水 基義 吉川 大和 保住 建太郎 片桐 文彦
出版者
東京薬科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

ラミニン-111の由来の活性ペプチド(60種類)を高分子多糖のキトサンに固定化したペプチド-マトリックスを作成し、線維芽細胞と神経細胞を用い生物活性を測定し、活性の違いにより5種類のグループに分類した。各グループの中で最も活性の強いエッセンシャルなペプチド-マトリックスを選定した。さらに高活性なペプチド-マトリックスを作製するため、ペプチドと多糖の間のスペーサーの検討を行い、各ペプチドの最適なスペーサーを見いだした。最適なスペーサーを用いてエッセンシャルなペプチド-マトリックスを組み合わせることにより、組織工学に応用可能なバイオマテリアルの開発が可能になった。
著者
根岸 洋一 丸山 一雄 高木 教夫 新槇 幸彦 高橋 葉子 野水 基義 田野中 浩一 丸ノ内 徹郎 片桐 文彦 小俣 大樹 濱野 展人 石井 優子 小栗 由貴子 塩野 瞳 秋山 早希 間山 彩 菊池 太希
出版者
東京薬科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究では,微小気泡(ナノバブル) の一つとして開発してきた超音波造影ガス封入リポソームにデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)治療用アンチセンスモルフォリノ(PMO)を搭載させたバブルリポソーム(BL)の開発に成功した.さらにBLと超音波照射との併用システムによりDMDモデルマウス骨格筋や心筋へのPMO送達・導入を行うことで,超音波照射部位におけるエクソンスキッピング誘導に伴う顕著なジストロフィンタンパク質の発現回復が可能となることを明らかとした.よって本システムは,DMDの核酸治療において全身筋組織への効率的PMO送達・導入とDMD治療における有用な一手段となると期待された.