- 著者
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野田 仁美
岡本 佳美
山川 勝
- 出版者
- 武庫川女子大学
- 雑誌
- 武庫川女子大学紀要. 自然科学編 (ISSN:09163123)
- 巻号頁・発行日
- vol.51, pp.13-18, 2003
スカートを着用して歩いた時の揺れ方はスカートのパターン,布地,また着用者の体型,歩き方など様々な要因が複雑に関係し合ってできているものであるが,今回はそれらの要因のうちスカートを構成する布地の違いに着目し,布地特性の違いが揺動形状にどのような影響を及ぼすのか検討を行った.また,実際にスカートを着用・歩行をしなくても,布地特性値からスカートの揺動形状を予測することを試みた.今回は,歩行時のスカートの動きのうち,最も動きの変化する部分FL(被験者の右側から見て,スカートの1番前の線)の動きについて,次のような予測方法を求めることが出来た.右足によって蹴られる前のF70が最も身体に近付いたときのFL形状をFL1とし,右足によって蹴られた後,F70が最も身体から離れたときのFL形状をFL2,そして再びF70が最も身体に近付いたときのFL形状をFL3とする.これらのFL1,FL2,FL3の形状と,FL1がFL2に変化するときの速度とFL2がFL3に変化するときの速度で,スカートの揺れを簡略化して表現する.それぞれの形状を示す式を作成し,その式の係数を各布地特性値から予測する.(1)FL1の近似曲線式[numerical formula]x_1:厚さx_2:剛軟度x_3:回復性FL1のF70は座標(x,64).(2)FL2の近似曲線式y=Bxを書く.この線をBとし,座標(0,0)をFL2のFWする.[numerical formula]x_1:防しわ性x_2:回復性x_3:せん断剛性G(平均)x_4:厚さ次にFL1のF70の水平な線に対して角度C線をFL1のF70から引く.この線と線Bとの交点がFL2のF70となる.[numerical formula]x_1:厚さx_2:ドレープ係数次に線Bの中心から垂直な線をDcm左に延ばす.その先端を点Eとする.FL2のFWと点EとF70を緩やかなカーブで描く.このカーブがFL2となる.[numerical formula]x_1:防しわ性x_2:剛軟度x_3:曲げかたさ(たて)(3)FL3の近似曲線式[numerical formula]x_1:回復性x_2:せん断剛性G(平均)x_3:厚さFL3のF70は座標(x,65).(4)FL1からFL2までの移動速度Fcm/s[numerical formula]x_1:剛軟度x_2:回復性x_3:ドレープ係数x_4:曲げかたさ(たて)(5)FL2からFL3までの移動速度Hcm/s[numerical formula]x_1:剛軟度x_2:形状係数x_3:ドレープ係数x_4:重さx_5・・・曲げかたさ(バイヤス)