著者
金井 靖 中嶋 新一
出版者
新潟工科大学
雑誌
新潟工科大学研究紀要 (ISSN:1342792X)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.31-46, 2005-12

This paper describes the magnetic refrigeration at near-room temperature. First, sphere of Gadolinium (Gd), 0.6 mm in diameter, was prepared as a magneto-caloric medium and the temperature change of Gd versus applied field was investigated. It was found that the linear temperature rise/fall was found for applied field. Then, magnetic circuit was designed by the finite-element magnetic field analysis. The magnetic circuit consisted of NdFeB permanent magnet, iron yoke stator, and vessel for Gd sphere, with moving stage was made as a trial. A heat-exchanger circuit using coolant was constructed with water pump and solenoid and the system was tested with regard to heat-exchanging ability. The obtained temperature change was very small due to low magnetic field applied to the Gd sphere and small Gd volume. The future work was also noted.
著者
菊地 康博 北崎 知子 斉藤 秀之 柴沼 忠夫 諸住 なおみ 金井 靖 米本 儀之 杉田 修 大沼 規男
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.42, no.Supplement1, pp.227-234, 1994-04-25 (Released:2011-08-04)
参考文献数
5

新規経口ペネム薬SY5555の体液内濃度測定法および体液中での安定性について検討した。微生物学的定量法 (bioassay法) では, 検定菌としてBacillus subtilis ATCC6633, 検定培地として日抗基記載の培地 (ペプトン0.5%, 肉エキス0.3%, クエン酸ナトリウム1%, カンテ ン1.5%, pH6.5~6.6) を用いる寒天平板拡散法により測定可能であった。検出感度はカップ法およびagar well法で0.05μg/ml, ペーパーディスク法で0.10μg/mlであった。血漿中濃度の測定では標準溶液は対照血漿により調整することが必要であり, その時のagar well法での検出感度は0.10μg/mlであった。高速液体クロマトグラフ (HPLC) 法では, 血漿はアセトニトリルで除たん白後, 尿は緩衝液で希釈後。逆相系カラムにより測定可能であり, 検出感度はそれぞれ0.1μg/mlおよび2.5μg/mlであった。臨床第一相試験におけるヒト血漿および尿中のSY5555濃度をbioassay法とHPLC法で測定したところ, 両法による結果はよく相関した。また, SY5555を添加したヒト血漿試料および尿試料をそのまま-20℃ 以下に凍結保存した時, SY5555はそれら体液中で少なくとも42日間は安定であった。
著者
金井 靖 諸住 なおみ 米本 儀之 杉田 修 大沼 規男 菊地 康博
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.42, no.Supplement1, pp.243-253, 1994-04-25 (Released:2011-08-04)
参考文献数
13

新規経口ペネム薬SY5555の体内動態をマウス, ラット, イヌを用いて検討した。1.本薬を絶食下のマウス, ラットおよびイヌに経口投与したところ, いずれの種においても消化管より速やかに吸収され, 生物学的利用率はマウスで27.1%, ラットで13.0%, イヌで40.4%であった。2.幼若イヌに経口投与したところ成犬と比べて半減期は延長した。3.本薬は用量依存的に吸収され, 主吸収部位は消化管上部と考えられた。摂餌後のイヌに本薬を経口投与したところ半減期の延長が観察された。4.経口投与後の未変化体の尿中排泄率はラットで3.8%, イヌで16.3%であり, SY5555以外に活性代謝物は認められなかった。胆汁排泄率はラットで0.1%とわずかであった。イヌを用いた定型クリアランス法により本薬は主に尿細管分泌により排泄されることが示された。5.マウス, ラットおよびイヌに経口投与したところ本薬は速やかに各組織に移行した。イヌにおける組織移行率は腎91.2%, 肝20.9%, 心17.0%, 肺18.1%, 前立腺15.3%, 筋15.2%, 顎下腺12.7%であった, 本薬の分布容積はマウスおよびイヌでそれぞれ127, 127ml/kgであり, 他のβ-ラクタム薬と同様に血漿および組織間質液中に分布するものと推定された。6.腎障害ラノトに本薬を経口投与したところ半減期は延長したが, 生物学的利用率は正常群と変わらなかった,7. SY5555は血清中のアルブミンと結合し, 血清蛋白結合率はSY5555濃度が20μg/mlで81.5~91.2%であった。本薬はヒト血清アルブミンに結合したビリルビンを遊離させなかった。8.イヌにSY5555錠剤および粒剤 (小児用剤: ドライシロップ) を投与したところ, 血漿中濃度推移は原体投与時と変わらず, 錠剤および粒剤の生物学的利用率はそれぞれ47.8%, 50.8%であった。
著者
金井 靖 諸住 なおみ 米本 儀之 杉田 修 大沼 規男 安達 栄樹 菊地 康博
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.42, no.Supplement1, pp.254-268, 1994-04-25 (Released:2011-08-04)
参考文献数
10

新規経口ペネム薬SY5555のラットおよびイヌにおける体内動態を14C標識体を用いて検討した。1.[14C] SY5555経口投与後の吸収は速やかで, 血漿中放射能濃度はラットでO.5時間, イヌで1.0時間に最高濃度に達した。放射能の尿中排泄率から求めた吸収率はラットで21.8%, イヌで51.6%であった。2.[14C] SY5555静脈内投与後, ほとんどの放射能は尿へ排泄され, 胆汁への排泄はわずかであり, 尿への排泄が主排泄経路であった。経口投与ではラットで17.1%が, イヌで47.0%か尿中に排泄され, 糞中にはそれぞれ85.8%, 52.9%が回収された。3.[14C] SY5555の組織への移行は速やかで, 組織内放射能濃度はほぼ血漿と同様に推移した。ラットおよびイヌともに組織内濃度は腎が最も高く血漿の約3倍の濃度が認められ, その他の組織にも広く分布した。4.血漿および尿中の主代謝物は, β-ラクタム環およびテトラヒドロフラン環か開環したM-1, M-2であった。M-1およびM-2の血漿中濃度はラットで高く, イヌで低かったが, 尿中排泄率には著しい差は認められなかった。これら代謝物は腎ならびに肺に存在するdehydropeptidase-1 (DHP-1) により生成するものと推定された。5.ラットにおけるSY5555のin vivo血漿蛋白結合率は82.8~83.9%であったが, 蛋白との結合は可逆的であった。代謝物の蛋白結合率はM-1で4.3~7.9%, M-2で69.0~76.2%であった。SY5555は血球にほとんど移行しなかった。