著者
金城 満 杉尾 幸司
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.17-30, 2017

工業高校におけるデザイン教育とキャリア教育との共通部分に注目して, 学校行事における高校生の模擬店(Cafe)の企画・運営の実践をとおして,「社会人基礎力」の育成を図る実践研究を行った.具体的には,事前学習のためのICT教材を開発して実践前に必要な知識技術を学ばせた後,実際のCafe運営を体験させた.ICT教材の内容は,「社会から求められている能力」,「コミュニケーションとは」,「デザインの定義」,「社会人基礎力とは」,「マーケティング」,「アクティブラーニング(協調学習・ジグソー法)」,「コーヒー焙煎・抽出方法」の7項目から構成されている.Cafe運営実施前,実施後のアンケート調査からは,事前学習と実施体験が,知識と体験を一体化させる効果を生み,本実践が社会人基礎力の育成に効果的であり,デザイン教育と連携した取り組みがキャリア教育としての効果を向上させ,社会人基礎力の育成に生かせることが明らかになった.