著者
鳥塚 尚樹 羽毛田 真弓 橋口 晃一 前川 竜也 渡辺 仁 金子 吉史 新田 浩之 浜田 淳 榊原 雄太 佐藤 玄 佐藤 耕一 諏訪 浩一 高見 清佳
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
vol.45, pp.P-93, 2018

<p> 2017年8月,FDA Data Standards Catalog v4.6にSEND Implementation Guide ver. 3.1(以下,IG 3.1)が収載され,2019年3月15日以降開始の試験はNDA/BLA申請時にIG 3.1準拠のSENDデータ提出が義務化された。IG 3.1の対象試験には心血管系及び呼吸系安全性薬理試験が含まれるため,それらのSEND対応はCJUG SENDチームの最重要課題の一つと考えられた。そこで,ITベンダー,ソリューションプロバイダ,非臨床試験CRO,製薬企業が所属するCJUG SENDチームの全27施設を対象に,安全性薬理試験のSEND対応状況及び想定される課題等に関するアンケートを実施し,匿名で回答を収集して分析した。</p><p> その結果,ほぼ全ての施設が安全性薬理試験のSEND対応への必要性を認識している一方,IG 3.1の詳細把握から具体的な業務手順の整備等の体制構築を進めている施設は少数のみであった。今後の対応方針を業種別にみると,製薬企業の多くは外注での対応を想定し,受託側のソリューションプロバイダ及びCROは自社対応やパートナリングで積極的にSENDデータ作成受託を進めようとしている傾向が示された。また,機器からの印刷物や手書きの記録を安全性薬理試験の生データとしている施設も依然多く,データの電子化自体が安全性薬理試験SEND対応の大きな課題であることが明らかとなった。さらに,SENDデータセット作成・検証の担当者に安全性薬理研究者の配置を想定している企業は少なく,統制用語の適切な利用など,安全性薬理試験SEND対応のプロセスに専門家がどう関与すべきかという潜在的な課題も見出された。本発表では調査内容を更に精査し,安全性薬理試験SEND対応の課題及び今後のデータセット作成に有用な情報を提供したい。</p>
著者
小坂 俊文 金子 吉史 中田 陽子 松浦 光信 田中 茂男
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.963-967, 1996-10-25
被引用文献数
3

イヌマクロファージおよび好中球介在性免疫応答に対する綿状キトサンの皮下埋没の影響について化学発光法(CL)を用いて検討を行った. 白血球数はコントロール群では術後120時間目まで有意に減少した(P<0.05). しかしながら, キトサン埋没群では白血球数,特に好中球数は24から96時間目まで増加した(p%lt;0.05). 全血におけるCL反応は, コントロール群では術後48時間目および96時間目に減少した(p<0.05)のに対し, キトサン群では埋没後120時間目まで高い活性が持続した(p<0.05). CL法によるマクロファージ活性の測定ではコントロール群では術後24, 48, 96時間目に著しく減少した(p<0.05). 5 mg/kgキトサン群では24および48時間目では減少した(p<0.05)が, 72時間目から120時間目までは高い活性が認められた. 10 mg/kgおよび20 mg/kgキトサン群では術後のマクロファージのCL反応の低下は認められず, 20 mg/kg キトサン群では術後120時間目まで高い活性が持続した(p<0.05). これらの結果よりキトサンは術後の免疫抑制に対する予防として有効で有用な免疫賦活物質であることが示唆された.