著者
金本 めぐみ 横沢 民男 金本 益男
出版者
上智大学
雑誌
上智大学体育 (ISSN:02870568)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.1-9, 2005-03-01
被引用文献数
1 5

本研究は思春期女性の自己の身体に対する意識と食行動の相互関連について分析検討することを目的とした。欠損値のあるデータは分析から除外し、最終的に250名を対象に分析検討がなされた。1.思春期女性の身体に対する意識構造は「さらなる痩身願望」を特徴とするものであることが明らかとなった。2.自己の身体に対して不満足な人ほど痩身願望が強いことが明らかとなった。3.痩身に対するメリット感、現体型に対するデメリット感と身体満足度の関係においては自己の身体に対して不満を感じている人ほど痩せれば何かいいことがあると感じている。また、現在の体型ではいいことがないと感じていることが示された。4.ダイエットをするなら健康を重視するダイエット方法をするか、効果を重視するダイエット方法をするかというダイエット志向性と身体満足度に関しては、自己の身体に対して不満を抱いている人ほど効果を重視するダイエット方法を志向する傾向にあることが確認された。5.食習慣と身体満足度に関しては、身体に対して不満足な人ほど普段の食行動においてダイエット行動を頻繁にしていることが明らかとなった。
著者
金本 めぐみ 横沢 民男 金本 益男
出版者
上智大学
雑誌
上智大学体育 (ISSN:02870568)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.1-10, 1999-03-25

本研究は青年期において,自己の身体がどのように認知されているか男女の認知構造について検討するとともに,身体的魅力の自己および他者の相互認知の構造を分析することを目的とした。大学生女子914名(平均年齢19.0歳),大学生男子934名(平均年齢19.4歳)を対象に調査がなされた。その結果以下のことが明らかとなった1. 現実の身長,体重および理想とする身長,体重から算出されたケトレーのBMI(BodyMassIndex)より,女性は男性に比べ細長体型への志向が顕著であった。2. 異性に対する理想体型は,女性は男性に対して普通の体型を理想とし,男性は女性に対して痩身体型を理想とする傾向が認められた。3. 身体満足度においては,女性は現実の肥痩パターンに関わらず自己の身体に対して否定的な認知をする傾向が認められた。4. 肥痩意識では女性は現実の体型より,より太っていると歪曲した身体認知を示した。一方,男5. 20の身体部位からみた身体満足度は,男女ともに低い傾向にあった。身体領域という視点での女性の不満部位を考えた場合,下肢部・スタイル・身体的性に代表されるように即時的に変えることが困難な身体領域に強い不満を感じていると言える。容姿・鼻・顔から構成される容貌の領域は予測に反して不満度はそれほど高くはなっかた。女性に比べ男性では不満足度の強い身体領域は認められなっかた。6. 男性および女性から見た身体的魅力の重要度における相互認知の違いが,男女というカテゴリーによるものか,個人を取り巻く環境的要因を基盤とした個人差としての認知傾向か今後詳細に検討する必要性が示唆された。
著者
永田 晟 磯川 正教 金本 益男 酒井 誠 品田 めぐみ 小椋 博
出版者
東京都立大学都市研究センター
雑誌
総合都市研究 (ISSN:03863506)
巻号頁・発行日
no.7, pp.p35-46, 1979-10

都市生活者の健康状態を疾病という顕在化された状態より,潜在的な健康度に重点を置いて,健康,身体運動という立場から現在の集合住宅をめぐる諸問題の解決を図るための基礎的資料を得ることを目的とした。調査方法は,A) 健康・体力の意識と実態,B) スポーツ・身体活動について,C) 生活意識や近所づきあい,D) 居住環境の4つの柱からなる質問紙法による調査を行った。調査対象は,墨田区の文花団地,多摩ニュータウンの都営住宅,都内の一戸建住宅の居住者である。その結果,以下のことが明らかとなった。1) 神経的症状,呼吸循環器系の症状を訴えることが特徴で,特に女性において顕著であった。2) 健康についての諸問題の関心度は,"運動不足"に強い関心を示し,次いで"睡眠不足""ストレス過多""スタミナの衰え"に対する意識と関心が高くあらわれた。3) 健康法の実施では,加齢とともに実施度が高くなり,高齢者の強い健康意識を裏づけるものである。4) スポーツ,身体活動に対して好意的態度と関心を示しているが,スポーツ参与の形態としては見たり,聴いたりする消極的な第二次的関与の仕方であった。5) スポーツ,身体活動の実施度は著しく減少の傾向を示し過去の経験よりも現在おかれている環境や生活上の意識に強く影響されていると考えられる。6) 生活の中で切実に要求しているものは,健康,教育,幸福な家庭,土地・住宅,等であった。7) 居住環境の便宜性,安全性,健康性,快適性の面に対する意識,評価は多摩住宅居住者が最も低かった。The purpose of this investigation is to gather information on how to solve problems concerning urban bwellers' health. In this investigation,urban dwellers' health includes not only chronic diseases but also their active involvement in physical activites and their active interests of their own health. The investigation was conducted by distributing questinaires,which dealt with four main points : A) actual conditions of urban dwellers' health and physical fitness and their consciousness of health,B) actual participation in sports and physical activities,C) present association with neighbors and their sense of social life and healthful living,and D) their physical environment. For the purpose mentioned above,people were selected from three areas; a) Bunka residental quarter in Sumida-Ward in Tokyo,b) Tama New Town districts in Kanagawa,and c) other residental areas in Tokyo's 23 Wards. As a result,the following points were clarified. 1. Urban dwellers,especially house wives have been suffering from neuroses and cardio-respiratory diseases. 2. They have strongly indicated a "lack of exercise","over-stress" and"decrease of stamina" among their health problems. 3. In older persons,the tendency of having a stronger interest in their own health conditions than in younger persons was shown. 4. Though they have been interested in sports and physical activities,their forms of involements in sports have been "spectating","watching TV" and "listening to radio",rather than active participation. This is secondary involvement in sports. 5. As they get older and cities have become more urbanized,the frequency of participation in sports and physical activities becomes fewer. In fact,they heve complained of the lack of space to engage in their physical activities. 6. They have strongly required promotion of health,progress of education,maintenance of a happy family,and having their own land and house, etc…… 7. People living in Tama New Town have shown a lower appreciation for transportational conveniency,safeness from troubles,healthfulness and comformity of their life environment.