著者
西山 清 植月 惠一郎 川津 雅江 大石 和欣 吉川 朗子 金津 和美 小口 一郎 直原 典子
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

環境に対する生命体の感応性-「環境感受性」-は、近年自然科学において注目を集めているテーマである。本研究は人文科学研究にこの概念を援用し、文学・文化および思想テクストにおいてその動態を考察することで、現代のエコロジカルな感性・思想の萌芽と展開を分析したものである。研究対象は、自然・環境の現代的認識の萌芽がもっとも顕著に観察されるイギリス・ロマン主義、およびその前後の時代の文学、文化、思想とした。本研究は、「環境感受性」が生み出され、現代的なあり方に展開していく様態を多面的に検証し、あわせて、文学研究が他分野と有機的な関連をもちつつ発展する、持続可能な営為であることも証明している。