著者
上田 祥二 松井 亮治 針尾 大嗣
出版者
公益財団法人 情報通信学会
雑誌
情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.83-90, 2021 (Released:2021-11-17)
参考文献数
15

プレイステーション5 の購入者の転売活動を把握するために、発売日から12 月末までおよそ1 ヵ月半のヤフオクの落札に関する情報を収集し、取引に関するデータの分析を行った。発売日当日から4 日間の取引数が多い結果であり、1 日に600 件規模の取引が確認できた。出品者の取引回数を整理すると、取引頻度が1 回または2 回の出品者が全体の87% を占めているおり、オークションによる転売活動の大部分は取引頻度が1~2 回の出品者によるものであった。出品者の取引回数別にユーザをグループ化しプロファイルの具体化を行ったところ、「実店舗のWeb 販売」、「個人中上級取引者」、「個人初級取引者」の3 種類に分類できた。
著者
吉見 憲二 上田 祥二 針尾 大嗣
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.97-113, 2020-07-01 (Released:2020-08-27)
参考文献数
16

スマートフォンやソーシャルメディアの普及を背景に,SNS等を通じた児童の被害が増加しており,青少年を取り巻く情報環境は大きなリスクと隣り合わせになっている。本研究ではその中でも近年深刻な社会病理となっている「売買春」に着目し,Twitterにおける問題投稿に付帯されるハッシュタグの特徴について計量テキスト分析の手法を用いて分析した。結果より,登場頻度の高いハッシュタグについて「エリア示唆」「援助(間接的表現)」「援助(直接的表現)」「裏アカウント示唆」「学生示唆」「性描写」「その他」の7つに分類し,その中でも地域名を明示する「エリア示唆」と売買春を間接的に示唆する「援助(間接的表現)」の共起関係が強いことが明らかとなった。こうした知見はサイバー補導における効率的な事前検知につながることが期待できる。