著者
吉見 憲二
出版者
公益財団法人 情報通信学会
雑誌
情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.81-95, 2016 (Released:2017-02-06)
参考文献数
29

2014 年に行われた第 47 回衆議院議員総選挙は、ネット選挙解禁後に行われた初の衆議院議員総選挙ということもあり、候補者のソーシャルメディア等のネット選挙手段の活用も大いに注目された。中でも、毎日新聞と朝日新聞は候補者の Twitter 投稿分析を記事にしており、従来の世論調査とは異なったアプローチでの報道がなされるようになっている。一方で、これらの新しいアプローチでの報道は方法論が確立されているとは言い難く、その信頼性に疑問が残る点もある。本研究では、発表者が独自に収集した候補者の投稿データとの比較から、報道機関による Twitter投稿分析のアプローチ及び結果について批判的に検討する。特に、毎日新聞が記事にした「自民党候補が「アベノミクス」の話題を避けた」という説に関して、その妥当性を検討する。
著者
吉見 憲二
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2012-03

制度:新 ; 報告番号:甲3614号 ; 学位の種類:博士(国際情報通信学) ; 授与年月日:2012/3/15 ; 早大学位記番号:新5968
著者
吉見 憲二 上田 祥二 針尾 大嗣
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.97-113, 2020-07-01 (Released:2020-08-27)
参考文献数
16

スマートフォンやソーシャルメディアの普及を背景に,SNS等を通じた児童の被害が増加しており,青少年を取り巻く情報環境は大きなリスクと隣り合わせになっている。本研究ではその中でも近年深刻な社会病理となっている「売買春」に着目し,Twitterにおける問題投稿に付帯されるハッシュタグの特徴について計量テキスト分析の手法を用いて分析した。結果より,登場頻度の高いハッシュタグについて「エリア示唆」「援助(間接的表現)」「援助(直接的表現)」「裏アカウント示唆」「学生示唆」「性描写」「その他」の7つに分類し,その中でも地域名を明示する「エリア示唆」と売買春を間接的に示唆する「援助(間接的表現)」の共起関係が強いことが明らかとなった。こうした知見はサイバー補導における効率的な事前検知につながることが期待できる。
著者
吉見 憲二
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.15-29, 2016

<p>日本では長らくインターネットを利用した選挙活動が禁止されていたが,2013年4月の公職選挙法改正を契機にネット選挙が解禁されることとなった。ネット選挙解禁後の初の国政選挙は第23回参議院議員選挙であり,2014年12月の第47回から衆議院議員総選挙もネット選挙解禁を迎えている。</p><p>本研究では,先行研究において選挙期間中の候補者のソーシャルメディアにおける投稿内容分析の手法が確立されていない一方で,新聞社により単純な単語抽出からの分析がなされている現状を問題意識とし,各政党における利用傾向の差異について検討した。分析結果より,別アカウントの利用や代理投稿,外部サービスの利用を行っている投稿が多数存在し,単純な単語抽出からではこうした特徴的な投稿の差異が十分に捉えられないことを明らかにした。加えて,こうした特徴的な投稿の利用傾向は政党間で異なっており,単純な単語抽出からの分析を政党間の比較に用いることが不適切である可能性が示された。</p>
著者
吉見 憲二
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.15-29, 2016-03-31 (Released:2017-01-25)
参考文献数
16

日本では長らくインターネットを利用した選挙活動が禁止されていたが,2013年4月の公職選挙法改正を契機にネット選挙が解禁されることとなった。ネット選挙解禁後の初の国政選挙は第23回参議院議員選挙であり,2014年12月の第47回から衆議院議員総選挙もネット選挙解禁を迎えている。本研究では,先行研究において選挙期間中の候補者のソーシャルメディアにおける投稿内容分析の手法が確立されていない一方で,新聞社により単純な単語抽出からの分析がなされている現状を問題意識とし,各政党における利用傾向の差異について検討した。分析結果より,別アカウントの利用や代理投稿,外部サービスの利用を行っている投稿が多数存在し,単純な単語抽出からではこうした特徴的な投稿の差異が十分に捉えられないことを明らかにした。加えて,こうした特徴的な投稿の利用傾向は政党間で異なっており,単純な単語抽出からの分析を政党間の比較に用いることが不適切である可能性が示された。
著者
吉見 憲二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.8, pp.1-6, 2015-02-21

近年,ソーシャルメディアの活用が企業マーケティングにおいても重要な役割を果たすようになってきている.一方で,ソーシャルメディア上での消費者とのコミュニケーションの失敗がかえって企業価値を損なってしまうような事例も散見される.特に,アルバイト等の従業員による不適切な発言が炎上とも呼ぶべき現象をもたらし,企業が謝罪に追い込まれるような事例については,そのコントロールの難しさが指摘されている.従来より企業の不祥事と株価に代表される企業価値との関係に着目した先行研究は数多く存在しているが,ソーシャルメディアにおける炎上事例が企業価値に与える影響について詳細には検討されていない.そこで本研究では,ソーシャルメディア上での炎上が企業への批判を招いた事例を対象に,イベント・スタディ法を用いた検証を行う.加えて,先行研究で取り上げられている一般的な企業不祥事とソーシャルメディアにおける炎上事例が同一に扱うことができるのかについて検討する.
著者
吉見 憲二
出版者
一般社団法人社会情報学会
雑誌
社会情報学会(SSI)学会大会研究発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.243-246, 2012-09-14

In this paper, we discuss the online community that attach points with user action. In fact, we compared two online recipe sites, one is point-grant and the other is not. We used text-mining analysis, and analyzed ingredients used in cooking. These two online recipe sites had differences of ingredients. Especially, recipes of the point-grant site had been optimized to get points by user.
著者
吉見 憲二 樋口 清秀
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.69-81, 2012

In the present study, it paid attention to the word of mouth marketing guideline that The Word of Mouth Japan Marketing Association had announced on March 12, 2010. And, examined how this guideline had effectiveness. Firstly, the definition and the previous work about the word of mouth marketing were confirmed. After that, picked up the guideline and analyzed cases that work or not. As a result, it reached the conclusion that the effect from the viewpoint of the consumer protection is limited. Finally, it paid attention to the case of penny auction. If stealth marketing is suspected, the guideline had not functioned effectively. As the reason, the guideline has stopped at moral regulation, and it was mentioned that things, such as a punitive clause or a research function, do not exist like U.S. regulation.
著者
吉見 憲二
出版者
日本テレワーク学会
雑誌
日本テレワーク学会研究発表大会予稿集 (ISSN:24331953)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.18-21, 2012-06-30 (Released:2018-06-11)

東日本大震災後の交通網の混乱や計画停電を背景にBCP(事業継続計画)目的でテレワークを導入する企業が増えている。テレワークは、自宅でも職場と同様に仕事ができるという点で有事におけるリスクマネジメントとして優れたものであるが、通常時においてもワーク・ライフ・バランスの向上や業務の効率化といった観点での効果が期待されている。一方で、労務管理やセキュリティ対策上の問題から、テレワークの導入に二の足を踏む企業も少なくない。本研究では、東日本大震災後にテレワークを導入・実施した企業を対象にしたインタビュー調査からBCP(事業継続計画)目的でのテレワーク導入・実施における利点と課題について考察する。
著者
吉見 憲二
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.2119-2126, 2021-12-15

近年,多くの大学で研究における倫理審査が導入されてきているが,内輪での非公開の審査にとどまっており,倫理面への配慮よりもアリバイ証明としての側面が強くなっているとの批判がある.同時に,複雑化する情報社会では潜在的な倫理面の問題に対応できる研究倫理審査に期待される役割も高まってきている.本稿では,倫理審査に関する先行研究を概観したうえで,現行の倫理審査や倫理審査委員会がかかえる課題について整理した.さらに,情報社会学分野で近年倫理面での問題が注目された事例を取り上げ,倫理審査が与える影響について検討した.最後に,倫理審査委員会3000個問題とも呼ぶべき現状に対して,2つの観点から解決策を提案する.
著者
吉見 憲二
出版者
公益財団法人 情報通信学会
雑誌
情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.155-165, 2017

<p>2014年に行われた第47回衆議院議員総選挙では、多くの候補者がTwitterやFacebookに代表されるソーシャルメディアを利用し、自身の選挙運動に活用していた。一方で、日本ではネット選挙解禁から日が浅く、その利用傾向や有効性の検討に関する研究の蓄積はまだ少ない。また、新聞記事等では政党ごとの利用傾向が取り上げられることが多く、個々の候補者に着目した研究は定性的なものを除いてこれまであまり見られなかった。</p><p>本研究では、著者が独自に収集した候補者のTwitter 投稿データを用いて、選挙期間中の候補者の利用傾向を実証的に検討する。特に、事前の利用実績が選挙期間中の利用にどのような影響を与えているのかに着目し、付け焼刃でのソーシャルメディア利用の問題点について明らかにする。</p>
著者
吉見 憲二
雑誌
研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP)
巻号頁・発行日
vol.2015-EIP-67, no.8, pp.1-6, 2015-02-21

近年,ソーシャルメディアの活用が企業マーケティングにおいても重要な役割を果たすようになってきている.一方で,ソーシャルメディア上での消費者とのコミュニケーションの失敗がかえって企業価値を損なってしまうような事例も散見される.特に,アルバイト等の従業員による不適切な発言が炎上とも呼ぶべき現象をもたらし,企業が謝罪に追い込まれるような事例については,そのコントロールの難しさが指摘されている.従来より企業の不祥事と株価に代表される企業価値との関係に着目した先行研究は数多く存在しているが,ソーシャルメディアにおける炎上事例が企業価値に与える影響について詳細には検討されていない.そこで本研究では,ソーシャルメディア上での炎上が企業への批判を招いた事例を対象に,イベント・スタディ法を用いた検証を行う.加えて,先行研究で取り上げられている一般的な企業不祥事とソーシャルメディアにおける炎上事例が同一に扱うことができるのかについて検討する.
著者
吉見 憲二 藤田 宜治
出版者
公益財団法人 情報通信学会
雑誌
情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.89-96, 2012 (Released:2013-03-25)
参考文献数
10

テレワークは、「情報通信技術を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」のことであり、自宅でも職場と同様に仕事ができるという点で有事におけるリスクマネジメントとしての効果が期待されている。本研究では、東日本大震災後の交通網の混乱に関する事例に着目し、実際のテレワークの導入状況や効果について、企業雇用労働者2000名を対象としたWebアンケート調査を実施した。結果から、(1)通勤困難な状況下でも、多くの社員が出社しようとしていた、(2)テレワークの導入企業は全体の1割弱程度であった、(3)以降の交通網の混乱の事例に反省が活かされていない可能性がある、(4)テレワークの導入により交通網の混乱時における態度及び対応が変化する可能性がある、ことが示された。
著者
吉見 憲二
雑誌
研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:21888647)
巻号頁・発行日
vol.2016-EIP-72, no.10, pp.1-5, 2016-05-26

一部の人気スポーツを除いて,地域のプロスポーツチームでは経営や集客に苦労している現状がある.しかしながら,大口のスポンサーの維持・獲得は容易ではなく,少ない予算や人員での広報活動を余儀なくされているチームも少なくない.こうした状況ではソーシャルメディアの活用に対する期待も大きいが,現状の広報においてどの程度ソーシャルメディアが活用されているかについてまとまった調査・研究があるわけではない.本研究では,主にプロサッカーの下部リーグを対象に,各チームのソーシャルメディア利用の現状を把握するとともに,その活用上の課題について明らかにすることを目的とする.
著者
吉見 憲二 樋口 清秀
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.69-81, 2012-03-31 (Released:2016-11-30)

In the present study, it paid attention to the word of mouth marketing guideline that The Word of Mouth Japan Marketing Association had announced on March 12, 2010. And, examined how this guideline had effectiveness. Firstly, the definition and the previous work about the word of mouth marketing were confirmed. After that, picked up the guideline and analyzed cases that work or not. As a result, it reached the conclusion that the effect from the viewpoint of the consumer protection is limited. Finally, it paid attention to the case of penny auction. If stealth marketing is suspected, the guideline had not functioned effectively. As the reason, the guideline has stopped at moral regulation, and it was mentioned that things, such as a punitive clause or a research function, do not exist like U.S. regulation.
著者
吉見 憲二
出版者
日本テレワーク学会
雑誌
日本テレワーク学会誌 (ISSN:13473115)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.39-46, 2015-03-31

震災や伝染病の流行の際には、事業継続の手段としてテレワークが注目される。一方で、一旦状況が落ち着いてしまうと、報道は一斉に沈静化し、興味・関心自体が失われてしまう傾向がある。このような一時的な対応が恒常化することは、災害に備えるという観点からは望ましいものではない。そのため、マスメディアを通じたテレワークの社会的関心の維持が必要とされている。本研究では、東日本大震災後の報道についてテキストマイニングを用いて分析し、報道量とその論調の変化について含意を得ることを目的とする。
著者
吉見 憲二 樋口 清秀
出版者
日本社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会全国大会研究発表論文集 日本社会情報学会 第24回全国大会
巻号頁・発行日
pp.148-151, 2009 (Released:2010-02-26)

This study pays attention to embeddedness approach, and considers what "Evaluation from the consumer" influences WAKEARI market. We investigate the evaluation of "Outlet" in Rakuten Ichiba. In this case, it is thought that "Evaluation from the consumer" carries out the function similar to "embeddedness".