- 著者
-
高山 好弘
安田 康晴
豊国 義樹
久保田 勝明
米川 力
山下 圭輔
鈴川 正之
- 出版者
- 一般社団法人 日本臨床救急医学会
- 雑誌
- 日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
- 巻号頁・発行日
- vol.16, no.2, pp.88-90, 2013-04-30 (Released:2022-11-18)
- 参考文献数
- 15
背景:バイスタンダーCPR(BCPR)の実施率は年々増加しているが,その質と生存率については評価されていない。目的:BCPR(胸骨圧迫)の質と生存率について検討すること。対象:栃木県小山・芳賀地域MC協議会管内で発生した救急隊員目撃を除く心肺停止症例440件。方法:救急隊が傷病者接触時にBCPRの胸骨圧迫について,姿勢・深さ・テンポが適切に行われていたことが確認できた症例を有効群,不適切症例を無効群とし,1か月生存率を比較した。結果:BCPRの実施率は227/440件(51.6%)で,有効群は85/227件(37.4%)であった。1か月生存率は有効群7/85件(8.2%),無効群2/127件(1.6%)と有効群が有意に高かった(p<0.05)。結論:質の高いBCPR(胸骨圧迫)の実施率は50%未満であった。質の高い胸骨圧迫を行うことにより生存率が向上する可能性があることから,BCPRの質について正しく評価し,教育することが必要である。