著者
石渡 渚 鈴木 佳奈子 松本 晴菜 矢島 慶子 小野 麻里子 土田 沙織 保戸塚 麻里 湯原 瑞紀 前澤 佳代子 寺島 朝子 小林 典子 木津 純子
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.319-324, 2009 (Released:2009-12-10)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

手指衛生は病院感染予防策として重要である.中でも速乾性擦式消毒剤(擦式消毒剤)は簡便性と高い消毒効果を兼ね揃え,現在の医療現場では必須となっている.そこでグローブジュース法に準じた方法により,薬学生を対象として,現場で汎用されている代表的な擦式消毒剤0.2 w/v%ベンザルコニウム塩化物含有製剤,0.5 w/v%ポビドンヨード含有製剤,0.2 w/v%クロルヘキシジングルコン酸塩含有製剤,0.5 w/v%クロルヘキシジングルコン酸塩含有製剤の擦り込み量を変えて,消毒効果および持続効果を比較検討した.また,ノズル付きの各擦式消毒剤を用いて女子薬学生が日常手指消毒に用いるようにノズルを押して消毒剤を採取し,その用量を測定した.   各製剤を1 mL, 2 mL, 3 mLを3回ずつ擦り込んだ際の減菌率の比較において,いずれの製剤においても2 mL以上の擦り込みにより良好な消毒効果が得られた.さらに2 mLを3回擦り込むと,その消毒効果はいずれも4時間後まで持続した.また,日常の衛生的手洗いにおいて,0.2 w/v%ベンザルコニウム塩化物含有製剤と0.5 w/v%クロルヘキシジングルコン酸塩含有製剤は1回に約2 mLを採取していたが,0.5 w/v%ポビドンヨード含有製剤と0.2 w/v%クロルヘキシジングルコン酸塩含有製剤は2 mL未満であった.手指消毒を効果的に行うには,消毒剤の採取量についても注意喚起する必要性が認められた.
著者
鈴木 佳奈実 土肥 美智子
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1331-1336, 2020-12-25

COVID-19蔓延は,多くのアスリートに多大な影響を及ぼしている.国際オリンピック委員会(IOC)は,コロナ禍において,アスリートの心理サポートが必要であると報告している.これまでに,女性アスリートは男性アスリートと比較して,精神健康度が低いことが示されており,COVID-19蔓延に伴っても,女性アスリートはより心理的問題を抱えているとの報告がみられた.国立スポーツ科学センターが実施した調査により,女性アスリートは『競技に関する不安』よりも『一般的な不安』を強く感じている可能性が示され,ママアスリートからは,育児に関する不安の声がきかれた.