著者
鈴木 千恵 松田 英子
出版者
公益財団法人 パブリックヘルスリサーチセンター
雑誌
ストレス科学研究 (ISSN:13419986)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.71-79, 2012 (Released:2012-11-21)
参考文献数
19
被引用文献数
3

This study investigated the effects of stressors for university students and their big five personality traits on dream recall frequency classified by dream emotion. The following results were obtained: i) stressors and Neuroticism had an interactive effect on dream recall frequency. ii) Stressors had main effects on sad, anxious, and unpleasant dream recall frequency. iii) Extroversion was negatively correlated with nightmare recall frequency and positively correlated with pleasant dream recall frequency. iv) Neuroticism was negatively correlated with pleasant dream recall frequency and positively with sad, anxious, strange, and unpleasant dream recall frequency. v) Agreeableness was negatively correlated with nightmare recall frequency and positively with unpleasant dream recall frequency. These results showed that stressors related to mainly negative dream recall and emotions of recalled dreams varied by the dimensions of big five. The findings implicate that mental support for enhancing stress-coping according personality traits can be effective to prevent harmful effects after awakening from negative dream recall.
著者
谷原 史倫 菊地 和弘 中井 美智子 野口 純子 金子 浩之 鈴木 千恵 吉岡 耕治 永井 卓
出版者
公益社団法人 日本繁殖生物学会
雑誌
日本繁殖生物学会 講演要旨集 第103回日本繁殖生物学会大会
巻号頁・発行日
pp.162, 2010 (Released:2010-08-25)

【目的】ブタ凍結精液作製時の凍結用希釈液には耐凍剤としてグリセリンのほか,卵黄が20%程度含まれる。卵黄にはホスファチジルコリン(レシチン)が含まれ,精子の先体や細胞膜の安定に重要な役割を果たすと考えられている。ブタ精子は個体ごとあるいはロットごとに耐凍性の差が大きく,さらに卵黄のロット差による凍結用希釈液の品質の違いも融解後の精子性状に影響を及ぼしていると考えられている。本研究では,卵黄の代わりとして市販のレシチン(大豆由来)を用い,品質の担保された凍結用希釈液を作製し,凍結・融解後の精子の体外受精・発生能について検討した。【方法】デュロック種(D)2頭,ランドレース種(L)2頭,大ヨークシャー種(W)1頭から射出精子を採取し,NSF液(Kikuchi et al., 1998,対照区)ならびに卵黄のかわりに5%(w/v)大豆レシチン(Sigma)を添加した液(実験区)で精子を希釈し,0.25 mLストローにて凍結した。37℃温湯で融解し,モデナ液で洗浄・前培養後6時間体外受精を行った。既報により10時間ならびに6日間体外培養を行い固定・染色後に受精ならびに発生状況を調べた。【結果】精子侵入率は,D2頭ならびにL1頭で差がなかったものの,L1頭ならびにW1頭では実験区で有意に低かった(P<0.05)。精子侵入率に差があった2頭中,W1頭では胚盤胞率も有意に(P<0.05)低くなったが,胚盤胞の細胞数には差がなかった。このことから,大豆由来レシチンを添加した凍結用希釈液でもブタ精子の凍結が可能なこと,また,受精後は移植可能な胚に発生することが明らかなった。しかし,卵黄添加に比べて受精率・発生率が下がることもあるため,さらなる手法の改良が望まれる。(農水受託研究「実用技術開発事業」の支援を受けた。)
著者
冨山 誠彦 今 智矢 船水 章央 上野 達哉 羽賀 理恵 西嶌 春生 新井 陽 鈴木 千恵子 布村 仁一 馬場 正之
出版者
日本神経治療学会
雑誌
神経治療学 (ISSN:09168443)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.642-645, 2017 (Released:2017-04-30)
参考文献数
10

Istradefyllineはウエアリング・オフのあるParkinson病患者の運動症状を改善する.しかし実臨床ではistradefyllineが有効でないこともしばしばあり,どのような患者にistradefyllineが有用なのか迷うことも多い.そこでウエアリング・オフがあり,オン時の運動症状が軽度なParkinson病患者(オン時のUPDRSパートIIIスコアが15点以下)を対象にistradefylline 20mg/日の有効性をオープンラベル試験にて評価した.14例の患者が8週間の試験を終了できた.Istradefyllineの追加投与により,オン時のUPDRSパートIIIスコアが有意に低下し,オフ時間が有意に短縮した.そのうちの13例は試験終了時にParkinson病症状の改善を自覚しており,istradefyllineの内服継続を希望した.ウエアリング・オフがあり,オン時の運動症状が軽度でドパ反応性が保たれている患者でのistradefyllineの有用性が示唆された.