著者
鈴木 孝庸
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

臺灣大學圖書館特藏組所蔵・平曲譜本に関する研究成果。―この譜本は、波多野流譜本一点(零本二册)、平家正節二点(零本四册。零本十五册)、正節譜による平家物語一点(零本三册)である。虫損等甚だしかったため、特藏組における修復の支援を行った。修復の後、詳細な閲覧調査を行い、波多野流譜本と平家正節に関してほぼ終了した。調査と併行して臺灣大學圖書館によるこれらの譜本の影印刊行企画に関する話しあいを行い、三回に分けて刊行することが決まった。国内の平曲伝承資料の調査および写本等の入手。―8所蔵機関の平曲譜本を調査した。平曲譜本4点、當道資料4点を入手した。
著者
岡田 三津子 櫻井 陽子 鈴木 孝庸
出版者
大阪工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、宴曲詞章の検討を通して、中世における道行文の形成と展開に関わる基礎的考察を行った。以下に、三点に分けて考察の結果を述べる。第一に、宴曲譜本のすべてを網羅することを目指して、室町期の譜本を中心とした文献調査を行った。そこでは、江戸時代の能役者が宴曲譜本を収集していたことなどを明らかにした。第二に、宴曲詞章の文学史的影響について検討し、論考を書いた。最後に、特別研究会を開催した。そこでは多くの研究者が宴曲詞章を検討する場を提供することができた。今後の課題は、これまでの成果を踏まえ宴曲に特徴的な用字の訓例索引を作成することである。さらに、用字の相違に注目した校訂本文作成を目指す。
著者
鈴木 孝庸
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、各地に所蔵されている文献資料を直接閲覧することと、平曲演奏家・橋本敏江氏に実際の平曲演奏に関する様々ことがらを聴取することを基礎とし、その上で、考察および資料紹介を行うことにしている。以下、主要な研究成果を挙げることにする。(1)平曲譜本に関しては、9所蔵機関を調査した。(2)2種類の新出平曲譜本を入手した。(3)6種類の平曲譜本の複写を入手した。(4)尾崎家本『平家正節』のパソコン入力を完了した。(5)宮崎文庫記念館蔵『平家物語』(平家吟譜)を影印刊行した。(6)1種類の平曲指南書の複写を入手した。(7)當道資料に関しては、5所蔵機関を調査した。(8)1種類の新出當道資料を入手した。(9)2種類の當道資料の複写を入手した。(10)橋本敏江氏よりの「平物」に関する教授は終了し、特別な曲に入り、「読物」は終了した。
著者
高木 裕 鈴木 孝庸 佐々木 充 番場 俊 平野 幸彦 佐々木 充 鈴木 孝庸 番場 俊 平野 幸彦
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

「声とテクストに関する比較総合的研究」グループは、フランスのボルドー第3大学との共同研究を推進し、平成19年度には、エリック・ブノワ教授による講演会を開催し、研究の打ち合わせを行った。平成20年度には、国際シンポジウムを開催し、フランスのボルドー第3大学の研究グループ「モデルニテ」から、エリック・ブノワ教授とドミニク・ジャラセ教授が参加し、共同研究の成果を確認した。最終的に研究成果を国内に問いかけるために、平成21年3月に、公開シンポジウム「声とテクスト論」を開催し、日本で声とテクストの問題をさまざまな角度から研究している明治学院大学の工藤進教授の基調講演とともに、同時に「<声>と身体の日本文学」と題して、ワークショップも開催し、日本文学をテーマにプロジェクトメンバーによる研究報告が行われ、活発な質疑応答があった。
著者
岡田 三津子 鈴木 孝庸 櫻井 陽子
出版者
大阪工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

奥村家関連資料は、京都当通座の最後の最高責任者であった奥村允懐一の所有していた楽器・文書類を主とする資料の総称であり、現在、京都市歴史資料館に寄託されている。本研究では、奥村家関連資料の悉皆調査および正確な書誌データ収集を第一の目的とした。調査の結果、謡本として認識されていた資料が、従来未知の波多野流平曲譜本のほぼ一揃いであることが判明した。資料調査の成果をふまえ『京都当道座奥村家関連資料総目録』を作成した。