著者
保崎 則雄 鈴木 広子
出版者
日本教育メディア学会
雑誌
教育メディア研究 (ISSN:13409352)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.25-37, 1997-03-31

字幕つき映像においては、画面上で視るものが、映像情報と文字情報の2種類存在する。その情報内容は、音声と映像の提示技術と相まって、重複したり、異なったりという様相を絶え間なく繰り返しつつ進行するため、初級者にとっては、認知負荷が増し、混乱を招き、理解の干渉になっていることが確認されている。一方、英語上級者にとっては、字幕は新たな効果的情報源となりうると示唆される。ところが、その上級者の視聴過程に踏み込んで分析した研究は、ほとんどない。本研究では、現在までに収集した英語上級者の字幕つき音声映像の特徴的な視聴モデルを紹介する。映像と字幕間の三角形の情報処理パターン、ネイティブスピーカーの多角形視聴パターン、安定した字幕読みのパターン、上級者と初級者の視点注視時間のパターンの違いなどを具体的な視線運動の分析を中心として示し、上級者の視聴モデルについて実例を交え考察する。
著者
平井 清子 岡 秀夫 鈴木 広子 河野 円 金丸 芙美 飯田 深雪
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

日本の英語教育が海外の言語教育から学べる点をバイリンガリズムの視点で分析した。その結果、言語を介して新しい概念を習得させ、考えていることや理解したことを言語で「話す」、「書く」ことを通して表現させるCALPを養成することが重要であり、思考を伴う言語教育が高いコミュニケーション能力を育成する上で重要であることが示唆された。その方法として、認知的に深い思考を要求し、比較・評価・判断という活動を可能にする、内容重視の教授法(content-based instruction)やイマージョン教育など、学習内容を中心とした学習者主体の授業の有効性が実証された。